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展示作品04:《Perfume WORLD TOUR 2nd intro》

アーティストがテクノロジーによる演出を試みるとき,そのテクノロジーは一般的にはアーティストの表現する理念を拡張し強化するために使われる.ライゾマティクスとPerfumeのコラボレーションでは,「Perfume "Global Site Project"」においても顕著なように,ライゾマティクスによるテクノロジーがPerfumeのイメージやアイデンティティに影響を与え,アイドルと観衆の新たな関係性を生み出した.それはまた,クリエイターやファンへと開かれていき,両者の間にあった境界を取払い,より自由なクリエイションの場を提供することにもなった.
Perfume初のヨーロッパ・ツアーのために作られた「Perfume WORLD TOUR 2nd intro」は,「日本にいるファンとヨーロッパにいるPerfumeを「Perfume "Global Site Project #003"」のプロジェクトを通じてつなぐ」というコンセプトにもとづき制作された.「Perfume "Global Site Project #003"」においてファンから寄せられたツイートをPerfumeにプロジェクションすることで,ファンが寄せたメッセージがPerfume自身に還っていく.

ダンスするPerfumeの身体をリアルタイムでトラッキングし,身体と衣装のパーツごとに認識して,動く衣裳や身体にぴったりと合うようプロジェクション・マッピングを行なっている.また衣装自体にも,可動する仕掛けが折り込まれており,モーターをワイヤレスで制御することで変形する.このために衣装のプロトタイプが10種類制作された.パフォーマンス中は,画像解析,映像生成など,8つの異なるプログラムが連動して稼働している.

制作発表年月:2013年6月

Perfume WORLD TOUR 2nd intro creation credit

Direction/Choreography:MIKIKO(elevenplay)
Music (Spending all my time extended mix):中田ヤスタカ(CAPSULE)
Motion graphic direction:TAKCOM(P.I.C.S. management)
Music (Intro):evala(port, ATAK)
Creative direction/Programming: 真鍋大度(Rhizomatiks)
Programming:比嘉了(Rhizomatiks)
Hardware engineering and design:石橋素(Rhizomatiks)
Wearable device design and development:柳澤知明(Rhizomatiks)
Styling:三田真一
Dress making:櫻井利彦
Motion graphic design:鈴木元紀
Visual produce:P.I.C.S.
Mechanical design support:TASKO
Installation support:坂本洋一(Rhizomatiks)


「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル 2013」でのPerfume パフォーマンス(参考図版)
Photo: Dentsu,Getty Images

Perfume WORLD TOUR 2nd(参考図版)
Photo: Chiaki Nozu