InterCommunication No.12 1995
連画――その音から明らかなように,和歌での“連歌”から生まれた造語だ.歌人
たちが歌と歌,句と句を読みつないでいった遊びは,1990年代においては,歌を画
に置き換えて,ネットワークを使ったグラフィック・コミュニケーションへと形式
を変えた.連画は,安斎利洋,中村理恵子の2人のアーティストが「相手の絵が自分
の画面に現われた」という他愛ない偶然をきっかけに,他人のイメージに手を加え
るというタブーともとれる領域に足を踏みいれることから始まった.そしてパソコ
ン通信を利用することにより,昨年夏のCGの国際会議「SIGGRAPH'94」やICCでのワー
クショップを通して,多人数間での協調的創作活動へと発展していった.つながる
ことによって初めて意味を持つ「連画」.このメソッドの提起する「創造の連鎖」
は,新しいコミュニケーション文化のあり方を示唆している.
[このトークセッションは,1994年12月2日,NTT/ICCギャラリーにて行なわれた]
Photo ● 大高 隆
No.12 総目次 |
Internet Edition 総目次 |
Magazines & Books Page |