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プレスリリース


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2025年9月11日

知覚の大霊廟をめざして——三上晴子のインタラクティヴ・インスタレーション

会期:2025年12月13日(土)—2026年3月8日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]  ギャラリーA,B 

ICCでは開館前のプレ活動期間より,さまざまな形で作品を発表してきた三上晴子の没後10年となる2025年に,1990年代後半以降のインタラクティヴ・インスタレーションを複数展示し,三上の活動をメディア・アート的側面から振り返ります.三上の大型インスタレーション作品3点を同時に展示する機会は国内外でも初めてのこととなります.

開催概要


会期:2025年12月13日(土)—2026年3月8日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]  ギャラリーA,B
開館時間:午前11時—午後6時(入館は閉館の30分前まで)
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は翌日),年末年始(12/29[]—1/5[]),ビル保守点検日(2/8[日])
入場料:一般 1,000円(900円),大学生 800円(700円)
ご入場は事前予約をされた方を優先させていただきます.
* 休館日以外においても,開館時間の変更および臨時休館の可能性がございます.
*( )内は15名様以上の団体料金.
* 障害者手帳をお持ちの方および付添1名,65歳以上の方と高校生以下の方,ぐるっとパスをお持ちの方は無料.
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] (NTT東日本株式会社)

休館日以外においても,開館時間の変更および臨時休館の可能性がございます.
最新情報はICCのウェブサイト(https://www.ntticc.or.jp/)などでお知らせします.


NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
住所:〒163-1404 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
アクセス:京王新線初台駅東口から徒歩2分
お問い合わせ:0120-144199(フリーダイヤル)
お問い合わせフォーム:https://www.ntticc.or.jp/ja/about/visit/contact/
URL:https://www.ntticc.or.jp/

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] は,日本の電話事業100周年(1990年)の記念事業として1997年4月19日,東京/西新宿・東京オペラシティタワーにオープンしたNTT東日本の運営する文化施設です.ICCは「コミュニケーション」というテーマを軸に科学技術と芸術文化の対話を促進し,豊かな未来社会を構想していきます.


展示概要

アーティストの三上晴子が1990年代以降に国内外で発表したインタラクティヴ・インスタレーションは,人間が世界と接続し関係を結ぶ端緒となる知覚行為そのものをテーマとしています.「眼は単に視るものではなく,耳は単に聴くものではない.すなわち,耳で視て,鼻で聴いて,眼で触ることが可能である」*1と本人が書いているように,三上はメディア・テクノロジーを駆使し,鑑賞者が自分自身の知覚とインタラクションのメカニズムに向き合わされる体験を複数の作品によって提示しました.そして,それらを総合した「知覚の美術館(あるいは大霊廟)」*2の構築を目指しました.

三上は生前,1980年代から90年代までの作品の多くを廃棄していますが,2015年の急逝を機に,近年は,1990年代前半の4作品が東京都現代美術館に収蔵されるなど,現代美術の分野においても三上の再評価の機運が高まっています.一方で,規模が大きく作品設置に複雑な工程を要することから,インタラクティヴ作品の再展示の機会は限られています.

また三上は,展示の機会があるたびに最新の技術を取り入れて作品をアップデートすることに極めて積極的でした.その経緯を踏まえ,委嘱元である山口情報芸術センター [YCAM] (以下,YCAM)や当時の作品制作関係者によって,作家の死去後も修復や一部再制作が行なわれています.また,YCAMと多摩美術大学の共同研究により,作品だけでなく鑑賞者の作品体験データやその他の資料の保存に関して,メディア・アートに特化した新しい方法論が検証・探究されるなど,三上の作品をめぐって,さまざまな試みが続けられています.

ICCにとって三上は,開館前のプレ活動期よりさまざまな活動を通じて関係を深めてきたアーティストのひとりです.本展では,三上が1990年代後半以降に発表したインタラクティヴ・インスタレーションを複数展示します.作品展示のほか,作品がアップデートを重ねてきた変遷や,現在進行中の修復やアーカイヴの取り組み,また作品のアーカイヴ・データの活用事例なども併せて紹介します.会期中には,三上と親交のあったアーティストや研究者を招いたトーク・イヴェントなどを開催予定です.

*1,*2 ともに出典:『SEIKO MIKAMI:三上晴子 記録と記憶』(馬定延/渡邉朋也 編著,NTT出版,2019年)

三上晴子 プロフィール

アーティスト.1984年から情報社会と身体をテーマとした大規模なインスタレーション作品を発表.1992年から2000年までニューヨークを拠点に主にヨーロッパとアメリカで数多くの作品を発表する.1995年からは知覚によるインターフェイスを中心としたインタラクティヴ作品を発表.視線入力による作品,聴覚と身体内音による作品,触覚による三次元認識の作品,重力を第6の知覚ととらえた作品などがある.ミロ美術館,ウィーン・クンストラハウス,ナント美術館,メディア・アート・チャイナ,トランスメディアーレ,オランダ・DEAF,アルス・エレクトロニカ,YCAM,ICCなど国内外の美術館,メディア・アート・フェスティヴァルに出品参加.2000年からは多摩美術大学にて教鞭をとる.2015年病気のため死去.

https://www.ntticc.or.jp/ja/archive/participants/mikami-seiko/

展示予定作品

三上晴子+市川創太《gravicells—重力と抵抗》2004/10年

複数の人が自由に歩き回ることで起こる変化が,リアルタイムで画像・音・光へと変換され,相互に関係しながら空間全体が大きく変容していく体験型のインスタレーションです.

展示空間内には,重力とそれに対する抵抗力のような,相互に引き合う仮想の力の場が構築されています.体験者がパネルを敷き詰めた床の上に足を踏み入れると,その身体の重さ,傾き,動きの速度に床下のセンサーが反応して,力の場の変化が線の歪みや音として表現されます.体験者,そしてその場を共有している他の体験者が及ぼす力に加え,GPSによる会場の位置データや空間で変容していくアルゴリズムの力が相互に関係し合い,作品に影響していきます.体験者はこの作品の一部となり,ふだん気づかない重力というものにあらためて直面するだけでなく,この世界をはじめ自らの身体や知覚,世界観までもが,いかに重力という存在を前提に成立しているかを再認識することになります.タイトルの《gravicells》は,「Gravity」(重力)により,複数の要素としての「Cell」(細胞,小さな部屋)が影響し合う,ということからつけられたものです.

本作は 2003年にICCの無響室にてプロトタイプ・ヴァージョン《重力と抵抗:無響室バージョン》が発表された翌年の2004年に,山口情報芸術センター [YCAM] にて委嘱制作されました.2010年にアップデートが行なわれ,展示の一部仕様が変更されています.

三上晴子《Eye-Tracking Informatics》2011/19年

体験者の視線を視線入力装置によって感知し,それによって描かれる形態を仮想の3次元空間内に生成していくインスタレーションです.
本作品は,三上が1996年にキヤノン・アートラボ で制作発表した《モレキュラー インフォマティクス—視線のモルフォロジー》を原型としています.「視ることそのものを視る」,「リアル・ヴァーチュアリティ」というコンセプトから,空間と身体の対応関係を再考しようとしたこの作品は,ヴァージョン・アップをしながら2004年まで世界各地で発表されました.その後2011年に,山口情報芸術センター [YCAM]の委嘱により《Eye-Tracking Informatics——視線のモルフォロジー》として再制作され,仮想空間に生成される視線の軌跡の描画速度が格段に向上したほか,音響システムが三次元音響に構成し直されました.本展では,2015年の三上の死去後に,山口情報芸術センター [YCAM]がアップデートと修復を行ったヴァージョンを展示します.

* キヤノン株式会社が1990年から2001年に運営した文化支援プログラム.阿部一直と四方幸子のキュレーションのもと,科学と芸術の融合による新たなアート領域の創造をめざす実験的な場として,アーティストとキヤノンのエンジニアとのコラボレーションによりメディア・アートの作品を制作,発表した.

三上晴子《欲望のコード》2010/11年

「蠢く壁面」「多視点を持った触覚的サーチアーム」「巡視する複眼スクリーン」と名づけられた3つの要素から構成される,大型インタラクティ・インスタレーションです.センサーと小型カメラを搭載した90個の装置が一面に設置された壁面(「蠢く壁面」)と,展示室中央の天井から吊られた,カメラとプロジェクターを搭載した6基のロボット・アーム(「多視点を持った触覚的サーチアーム」)の各装置は,昆虫がうごめくように観客の位置や動きを察知し,それに向かって動き出し,観客を監視します.
会場の奥には,昆虫の複眼のような巨大円形スクリーン(「巡視する複眼スクリーン」)が位置し,それぞれのカメラの映像データは,世界各地の公共空間にある監視カメラの映像とともに独自のデータベースを構築し,過去と現在や会場と世界各地の映像が,複雑に交錯しながらスクリーンに投影されます.

三上は本作品において,「現在の情報化された環境と知覚に生きるわたしたちの新たな欲望とはなにか」を問題意識とし,映像,音響,データなど,さまざまなネットワーク環境からの情報を自律的なシステムを持つコードによって再構成しています.鑑賞者に反応して動き出す,まるで空間自体が生きているかのような環境の中で,現在の情報技術とインタラクションの生み出す,時間/空間の変容を体験することができる作品です.

本作品は,2010年に山口情報芸術センター [YCAM] の委嘱により制作され,三上の死去後の2016年には同センターにより修復が行なわれました.本展が,修復後初めて公開する機会になります.
(第16回 文化庁メディア芸術祭アート部門 優秀賞)

三上晴子《存在,皮膜,分断された身体》1997年

ICCが1997年4月に開館した際,常設展示として10作品が委嘱制作され,ICCコレクションとなりました.そのひとつである《存在,皮膜,分断された身体》(1997)は,身体器官の音を空間内に拡張・変容させていく「知覚による建築」を提示する作品です.無響室という音の反響のない特殊な空間で,身体の奥から発生する自身の体内音とスピーカーから流れてくるリアルタイムに増幅された体内音の二つの音のズレが,身体と思考を分離し,肉体としての身体感覚が消滅して断片化された諸感覚が覚醒していきます.ちなみに,現在もサウンド・アート作品の展示に活用されているICCの無響室は,本作品を展示するために設置されたものです.
2000年を最後に展示の機会がなかった本作品の再展示を目標に,現在調査を進めています.
* 調査の内容によっては,作品を完全な状態で展示できない可能性があります.

発表当時の作家によるテキストなどのより詳しい情報については,以下のウェブページをご覧ください.
https://www.ntticc.or.jp/ja/archive/works/world-membrane-and-the-dismembered-body/


* 2025年9月11日現在の情報です.


同時開催の展示

リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC


開催期間:2025年12月13日(土)—2026年3月8日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーC
入場無料


関連イヴェント

展覧会開催期間中に,関連イヴェントの開催を予定しています.
各イヴェントの詳細は,後日ICCのウェブサイトにてお知らせします.


東京オペラシティ アートギャラリーとの相互割引

ICC 受付で,同時期に開催中の東京オペラシティ アートギャラリー企画展の入場券をご呈示いただくと,本展に団体料金でご入場いただけます.また東京オペラシティ アートギャラリー企画展にご入場の際に,本展入場券をご呈示いただいた場合も,団体料金でご入場いただけます(他の割引との併用不可,ご本人様のみ1回限り有効).


最新情報はICCのウェブサイト(https://www.ntticc.or.jp/)などでお知らせします.

広報に関するお問い合わせ

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]


広報担当:赤坂恵美子,企画担当:指吸保子
TEL:03-5353-0800 FAX:03-5353-0900
URL:https://www.ntticc.or.jp/
お問い合わせフォーム:https://www.ntticc.or.jp/ja/about/visit/contact/press/

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