本サイトをご利用の際,最新版のFirefoxGoogle ChromeInternet ExplorerSafariなどを推奨しております.
現在ご利用のブラウザでは,レイアウトなどが崩れる可能性があります.

JA / EN

プレスリリース


戻る

2021年10月16日

「オープン・スペース 2021 ニュー・フラットランド」展
出品作品のご案内

会期:2021年10月30日(土)—2022年2月27日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーB ほか


「オープン・スペース」展は,メディア・アート作品をはじめ,現代のメディア環境における多様な表現をとりあげ,幅広い観客層に向けて紹介する展覧会です.

出品作家:伊阪柊/イップ・ユック゠ユー/岩井俊雄/emolingual/齋藤帆奈/グレゴリー・バーサミアン/原田郁(オンライン・アーティスト・イン・レジデンス)/布施琳太郎/細井美裕/山形一生(オンライン・アーティスト・イン・レジデンス)/アンナ・リドラー/マヌエル・ロスナー/小鷹研究室(名古屋市立大学)/リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC
継続展示



開催概要

会期:2021年10月30日(土)—2022年2月27日(日)
リアル会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーB ほか
開館時間:午前11時—午後6時
休館日:月曜日(月曜日が祝日もしくは振替休日の場合翌日),年末年始(12/27–1/4),保守点検日(2/13)
入場無料(事前予約制・当日入場は事前予約者優先)
予約方法詳細は,後日ICCのウェブサイトにてお知らせいたします.
オンライン会場:ハイパーICC(https://hyper.ntticc.or.jp/
体験料:無料

主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC](東日本電信電話株式会社)
住所:〒163-1404 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
アクセス:京王新線初台駅東口から徒歩2分
お問い合わせ:フリーダイヤル 0120-144199
URL:https://www.ntticc.or.jp/

* 諸事情により開館時間の変更および休館の可能性がございます.最新情報はウェブサイトなどでお知らせいたします.


NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] は,日本の電話事業100周年(1990年)の記念事業として1997年4月19日,東京/西新宿・東京オペラシティタワーにオープンしたNTT東日本の運営する文化施設です.ICCは「コミュニケーション」というテーマを軸に科学技術と芸術文化の対話を促進し,豊かな未来社会を構想していきます.

展示概要

「オープン・スペース」展は,メディア・アート作品をはじめとする,現代のメディア環境における多様な表現をとりあげる,幅広い観客層に向けた展覧会です.

科学的な発見が,私たちの認識を変え,新しい世界観をひらき,そのつど私たちは,新たな地平において物事を考えるようになりました.たとえば,2次元の平面世界(フラットランド※)からは,1次元や3次元の世界を知ることができないと言われますが,私たちは,自分のまだ知り得ない世界の存在を想像することで,未知の世界へと思考を広げてきたのです.

情報圏と呼ばれる,ICTがもたらした新しい環境の登場は,デジタル技術がたんにツールであることを超えて,人類が世界を理解し,解釈するための方法を変え,新しい次元を思考し,意識の革命をもたらすと言われています.一方,現実世界とインターネットの世界が地続きになったと言われるポスト・インターネット時代は,フィルター・バブルなどの情報を遮断した世界を作ることにもつながっています.

このような現代のテクノロジー環境を,新たな認識を生み出す可能性を持った新しいフラットランドと考え,閉ざされた次元を超えた世界を想像させるさまざまな表現を取り上げます.

そのほか,映像アーカイヴ「HIVE」,NTTの研究所や教育機関との連携,新進作家紹介などを行なう予定です.

※ 1884年に英国のエドウィン・A・アボットによって書かれた小説『フラットランド たくさんの次元のものがたり』(竹内薫/訳 講談社)にちなんでいます.


キュレーション:畠中実,指吸保子
共同キュレーション:谷口暁彦


出品作家および作品(五十音順)

伊阪柊《Sprites》2021年 リアル

この作品は,電磁波による自然環境や電子機器などへの影響を,さまざまにイマジネーションを拡張して考察する,環境に反応するインタラクティヴな作品です.
東京の空港周辺上空の飛行禁止空域という見えない領域を,3DCGによって建築的に可視化し,空に浮かぶ建築物のような構造として提示します.
会場に設置されたアンテナが,空間中の電磁波(主に起動しているコンピュータやプロジェクター,スマートフォンなどの電子機器,身体から発する微弱な静電気,あるいは宇宙放射線など)を検知すると,電磁波の強さに応じて,上映されている3DCG映像の中の「スプライト(雷)」が,リアルタイムに反応します.

イップ・ユック=ユー《To Call a Horse a Deer / 指馬為鹿》2018年- リアル,オンライン

画面に表示される指示に反して,真偽問題(○×式クイズ)に答えていくゲームです.回答者は,嘘をつくように指示された場合は設問に対する正しい答えを,真実を言うように指示された場合は間違った答えを選ばなければいけません.
この作品のタイトルは,中国の慣用句である「鹿を馬と呼ぶ」を反転させたものです.この慣用句は,中国の古典『史記』の中で,秦の野心的な政治家が,他人と結託して鹿と馬を混同させることで敵対者を特定し,反対意見を封じ込めようとしたという話に由来しています.

岩井俊雄《マシュマロモニター》2002年 リアル

マシュマロのような形をしたオブジェについたモニターに,ヴィデオ・カメラで撮影された自分の姿が映し出され,リアルタイムにゆがんだり伸びたり縮んだりします.ヴィデオ・カメラでとらえた映像をコンピュータに蓄え,映像を画面に描画する時間を遅くすることで,映像の中に動きの軌跡が表示され,写された対象を変形させています.
(2015–19年度「オープン・スペース」展示作品/継続)

emolingual《emolingual keyboard》2019年 リアル

emolingualは,2019年に結成された,絵文字にまつわる創作活動や開発を行なうプロジェクトです.これまでに,絵文字を入力するための専用キーボードや,入力された文章に対して文脈に合致した絵文字を自動で推定し提案する入力インターフェイスを開発してきました.
絵文字は,現在では「emoji」として世界中の人に使われ,その流行は文字コードの国際基準であるユニコードの普及にも大きく寄与したと言われています.emolingualは,その活動を通して,言語としてのemojiのさらなる可能性を探究しています.

齋藤帆奈《Non-Retina Kinematograph》2017年- リアル

映画を超スロー再生しているディスプレイの真上で粘菌が培養されています.粘菌は暗いところを好むため,ディスプレイに映る映画のフレーム画像中の暗い領域の方に向かって動きます.その粘菌の形状に合わせて映画フレームのピクセルが入れ替えられ,粘菌の通ったあとの映画フレーム画像は,粘菌が好む色の領域と好まない色の領域に分けられていきます.齋藤は,この画像の連なりを,網膜を持たない(Non-Retina)粘菌が「観た」,そして「作った」映画であると捉えています.

グレゴリー・バーサミアン《ジャグラー》1997年 リアル

アニメーションなど映像装置の原型であるゾートロープの原理を応用し,ストロボの光を利用して実現される立体ア二メーションです.受話器を手にした人体がそれを中空に投げ上げると,放り上げられた受話器は哺乳壜,サイコロなどへと形態を変容させながら再び人体の手へと戻ってきます.人間と機械の間にある希望と葛藤を表現しています.
ICCコレクション作品として,1997年のICC開館より親しまれてきた作品です.(2006–19年度「オープン・スペース」展示作品/継続)

原田郁(オンライン・アーティスト・イン・レジデンス) リアル,オンライン

コンピュータ内に自身で制作した3DCGの架空の世界を立ち上げ,その仮想世界と現実世界を往来しながら,仮想世界の中の風景を絵画作品として制作しています.
今回は,絵画を制作する現実のアトリエを,仮想世界の中の作家のアトリエと重ね合わせてオンラインで公開します.また,公開制作のプロセスをさらに仮想空間にフィードバックすることで,絵画と仮想世界の風景が変化していきます.
今年度より開始した,ICCのオンライン・プラットフォームでのレジデンス・プログラムで,会期を通じて,随時制作が行なわれます.

布施琳太郎《名前たちのキス》2021年 リアル

SNSやスマートフォンを基盤にした現在のコミュニケーションや,新型コロナウイルスの感染拡大における人間同士の距離のとり方など,変わりゆく社会の中で,現在の私たちをとりまく現実のありようを,オンラインにおける恋人同士のコミュニケーションとして表現した映像作品です.
布施は,現代の極度に情報化した社会において,それに伴って生み出された新しい意識や価値などにもとづく芸術のあり方への関心から制作を行なっています.
この作品は,昨今のニューノーマル下での生活様式において,たがいにハンドルネームで出会い,本当の名前すら知らないままに,オンライン上でだけコミュニケーションを深める人々の関係性に着目して制作されました.

細井美裕《Lenna》2019年 リアル

この作品は,NHKが開始した8K衛星放送における音声の制作・伝送規格である,22.2チャンネルサラウンドのフォーマットで制作された,声のみを素材にした空間的な音楽作品です.展示においては,無響室の特性を生かした独自の再生環境で,立体的な音場を体験できるようにしています.

* 無響室でおひとりずつ体験していただく作品のため,予約制です.予約方法につきましては,後日ICCのウェブサイトにてお知らせいたします.
(2019年度「オープン・スペース」展示作品/継続)

コンセプト/声 : 細井美裕
作曲:上水樽力
ミックス:葛西敏彦(studio ATLIO),蓮尾美沙希
マスタリング:風間萌(studio ATLIO)
アシスタント:飯塚晃弘(studio ATLIO)
立体音響デザイン:蓮尾美沙希
立体音響システム:久保二朗(株式会社アコースティックフィールド)

山形一生 (オンライン・アーティスト・イン・レジデンス) リアル,オンライン

山形はこれまで,インターネット上でのみ閲覧できる作品を多く発表してきました.
今回のオンライン・アーティスト・イン・レジデンスでは,これまでのオンラインでの作品を発展させ,映像や写真といった現実で行なわれる諸活動の記録がネット上にアップロードされる際に起こる変容,またはそのあり方を再考します.
今年度より開始した,ICCのオンライン・プラットフォームでのレジデンス・プログラムで,会期を通じて,随時制作が行なわれます.「オープン・スペース」では,オンラインでの作品発表と並行した展示を実空間で展開します.

アンナ・リドラー《モザイク・ウイルス》2019年 リアル

この作品は,世界初のバブル現象とされる,1630年代のオランダで起こった「チューリップ・バブル」と呼ばれる,チューリップの球根の価格の急騰と暴落に想を得て制作されています.
リドラーは,そこに現在の暗号通貨の投機との類似性を見出し,機械学習によるイメージ生成モデルを使用して,チューリップのイメージをビットコインの価格によってコントロールし,時間とともに変化させることで市場の変動を示し,その関係を明示しています.
タイトルは,チューリップのみが感染するモザイク・ウイルスによって生まれた変種が,爆発的な人気と価格の高騰を生み出したことに由来しています.

マヌエル・ロスナー 新作 リアル,オンライン

コンピュータ・グラフィックスによるカラフルなヴァーチュアル彫刻を,デジタル写真として現実空間に介入させるシリーズの作品を制作します.
現実の展示空間とそっくりなヴァーチュアルな展示空間を作り,現実世界には存在しない作品を仮想空間で展開し,私たちの現実とヴァーチュアルな世界との関係性を表現しています.
建築物のイメージに巨大なヴァーチュアル彫刻作品を合成し,仮想の公共空間での制作を行なうなど,リアルとヴァーチュアルを連動させる展示を行なっています.


小鷹研究室(名古屋市立大学)
前期展示:小鷹研究室の錯覚論争 リアル

名古屋市立大学大学院芸術工学研究科の小鷹研理研究室では,「からだの錯覚」を中心テーマとして,新しいメディア空間における新しい〈からだ〉のかたちを模索しています.ICCキッズ・プログラム 2021「チューンナップ じぶんをととのえる」にひきつづき参加し,「オープン・スペース 2021」では,物理的な光学現象から日用品を取り入れたVR装置までさまざまな素材や手法を駆使しながら新しい錯覚を考案してきた小鷹研究室のこれまでの活動の歩みについて概観します.とりわけ,2014年より5年連続で開催されたプロジェクトの成果展「からだは戦場だよ」(岐阜市)に焦点を当て,関連の映像素材などを紹介します.会期中に展示替えを行なうほか,ワークショップの開催も予定しています.

リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC リアル

「リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC」は,2017年度の「オープン・スペース 2017 未来の再創造」展から開始された,NTTの研究所の先端的な取り組みをICCの展示活動の中で紹介し,未来の人間および社会に関するコンセプトを提案する場です.今年度の展示では,近年注目されている「ウェルビーイング」(その人としていきいきと生きること)の中でも,他の人とのつながりの中で生じる 「わたしたちのウェルビーイング」をいかに作り出すことができるのか,ワークショップによる実践や触覚に関する技術を用いた試みを紹介します.


新進アーティスト紹介コーナー「エマージェンシーズ!」 emergencies!

「エマージェンシーズ!」は,新進アーティストやクリエイターの最新作品やプロジェクトなどを紹介するコーナーです.2006年以降,これまでに合計39組の作品を展示しています.今年度は2回の開催を予定しています.

エマージェンシーズ! 040 梅沢英樹+佐藤浩一
展示期間:2021年10月30日(土)—12月19日(日)

エマージェンシーズ! 041 米澤柊
展示期間:2022年1月15日(土)—2月27日(日)(予定)


HIVE

ICCの映像アーカイヴ「HIVE」(ハイヴ)では,ICCの所蔵するヴィデオ・アート作品,アーティスト,科学者,批評家などのインタヴュー映像,1997年の開館以後開催されてきたICCの数多くの活動の映像記録をデジタル化し,コンピュータ端末から視聴することができます.また,上記のコンテンツのうち一部はHIVEのウェブサイト (https://hive.ntticc.or.jp/)からも視聴可能です.

※ 2021年4月1日より当面の間,ウェブ版HIVEにてクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを付与し公開してきたコンテンツを,ストリーミングのみの公開としています.


「オープン・スペース 2021 ニュー・フラットランド」展 関連イヴェント

会期中には,アーティストや有識者を招いたトーク,レクチャー,シンポジウム,ワークショップ,作品解説ツアーや,国内外からゲストを招いた催しなど,さまざまなプログラムを予定しています.


新型コロナウイルス感染症対策

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]では,新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のため,お客様ならびにスタッフの健康と安全を考慮し,ご来館される全てのお客様に以下の対応のご協力をお願い申し上げます.

下記に該当する方は,ご入館をお断りさせていただきます.

  • 37.5度以上の発熱症状がある方.(入館時にサーモカメラ及び,非接触型体温計での体温計測を実施します.)
  • 過去2週間以内に,感染拡大地域や国への渡航をされた方.
  • 発熱,咳,鼻水,倦怠感の症状が続くなど,体調不良の方.
  • マスクを着用されていない方.

今後の展示予定

企画展「(多層)世界の歩き方」(仮称)
開催予定期間:2022年1月15日(土)—2月27日(日)

最新情報はICCのウェブサイト(https://www.ntticc.or.jp/)などでお知らせします.

広報に関するお問い合わせ

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

広報担当:赤坂恵美子
TEL:03-5353-0800 FAX:03-5353-0900
URL:https://www.ntticc.or.jp/

プレスリリースをみる