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プレスリリース


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2020年12月28日

特別展
「多層世界の中のもうひとつのミュージアム——ハイパーICCへようこそ」出品作品のご案内

開催概要

オンライン展示

開催期間:2021年1月16日(土)—3月31日(水)
会場:https://hyper.ntticc.or.jp/
2021年1月16日(土)より公開します.
体験無料
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] (東日本電信電話株式会社)

リアル展示

会期:2021年1月23日(土)—3月14日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]  ギャラリーA
開館時間:午前11時—午後6時
入場無料(事前予約制・当日入場は事前予約者優先)
予約方法詳細は,後日ICCウェブサイトにてお知らせいたします.
休館日:月曜日,保守点検日(2月14日[日])
休館日以外においても,開館時間の変更および臨時休館の可能性がございます.
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] (東日本電信電話株式会社)


NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
住所:〒163-1404 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
アクセス:京王新線初台駅東口から徒歩2分
お問い合わせ:0120-144199(フリーダイヤル)
URL:https://www.ntticc.or.jp/

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] は,日本の電話事業100周年(1990年)の記念事業として1997年4月19日,東京/西新宿・東京オペラシティタワーにオープンしたNTT東日本の運営する文化施設です.ICCは「コミュニケーション」というテーマを軸に科学技術と芸術文化の対話を促進し,豊かな未来社会を構想していきます.

出品作家(五十音順)

アグネス吉井

尾焼津早織

谷口暁彦

原田郁

藤倉麻子

山内祥太

山本悠と時里充


共同キュレーター:谷口暁彦,時里充

ヴァーチュアル初台,ハイパーICC 監修:豊田啓介(noiz)

ヴァーチュアル初台,ハイパーICC 制作:noiz,中村将達

3Dデータ計測,制作:gluon

Webサイト制作:ユニバ株式会社

展覧会概要

実空間と情報空間の層(レイヤー)の中に建つ,
仮想空間の中のもうひとつのICC

近年「ミラーワールド」「デジタルツイン」「コモングラウンド」などの概念がさまざまなシーンで取り上げられるようになっています.これらの言葉はどれも,通信やコンピュータ処理の高速化などを背景に,実空間と対応関係をもつ,高精度なシミュレーションなどにも活用可能なデジタル情報空間が実現化しつつあることを象徴しています.さらに2020年に起こった新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は,物理的移動に大きな制限をかけました.その結果,デジタル情報空間への注目度があらためて高まっているといえるでしょう.この新型コロナウイルス禍において,多くの美術館が展覧会を中止または予定を延期しました.そして,中止になってしまった展覧会や,始まったものの観客を迎えることができない展覧会を,オンライン上で公開する試みが始まりました.さらに,アーティストによるオンラインでの展示がさまざまに試行されました.そうした社会変動を経験した私たちには,これまでとは異なる新しい展覧会の活動モデルを想定していくことが必要とされているのではないでしょうか.今回ICCでは,メディア・テクノロジーを駆使し,これまでもネットワーク上での作品公開などを展開してきたメディア・アートの手法によって,新しい展覧会のあり方を示唆するヴィジョンとその可能性を探る試みを行ないます.


[仮想世界:ヴァーチュアル初台とハイパーICC]

東京オペラシティ街区の一部が仮想世界に再現されるヴァーチュアル初台
ヴァーチュアル初台に建ち上がる,「情報の建築」としてのハイパーICC
ハイパーICC内部に再現されるICCの展示空間
PC用のアプリケーションとして提供します.


[リアル会場]

オンラインでの展覧会と相互に関連しあうリアル会場での展覧会


現実の会場とヴァーチュアルな会場との連携

オンラインからアクセスして体験できる作品が,現実の展示空間にもあらわれます.オーギュメンテッド・リアリティ(AR)で実際の展示では見えない要素が追加されたり,さらに現実空間からオンラインへ情報を送ったり,オンラインからデータをアウトプットしてペーパークラフトを自分で組み立ててみたり,展示会場にほんもののパフォーマーがあらわれたり.リアルとヴァーチュアルが共存し,情報が行き来する展示空間を作ります.


多層的な体験方法

ウェブブラウザや,アプリケーション(PC用)を使って,ヴァーチュアル初台の中を自由に動きまわったり,ハイパーICCにアクセスすることができます.

また,スマートフォン,タブレットにインストールしたARアプリから,現実空間の展示物にスマートフォン,タブレットをかざして体験.現実世界と情報の世界を重ね合わせた状態を見ることができます.

場所にとらわれない,ポータブルな鑑賞体験としてペーパークラフトや3Dプリント形式の作品も公開します.

ヴァーチュアルな情報レイヤーにあるデータを使って,現実のフィジカルなレイヤーで物質としてアウトプットすることを通じて,データと物質,という両方を同じように扱うことを試みます.


豊田啓介

1972年生まれ.東京大学工学部建築学科卒業.安藤忠雄建築事務所を経て,コロンビア大学建築学部修士課程修了.SHoP Architects(2002–06)を経て,2007年より東京と台北をベースに建築デザイン事務所noizを蔡佳萱と共同主催(2016年より酒井康介もパートナー).コンピューテーショナルデザインを積極的に取り入れた設計・製作・研究・コンサルティングなどの活動を,建築からプロダクト,都市,ファッションなど,多分野横断型で展開している.2020年より東京大学生産技術研究所客員教授.

https://noizarchitects.com/

共同キュレーション

谷口暁彦

1983年生まれ.メディア・アーティスト.多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース専任講師.メディア・アート,ネット・アート,映像,彫刻など,さまざまな形態で作品を発表している.主な展覧会に「[インターネット アート これから]——ポスト・インターネットのリアリティ」(ICC,2012),「SeMA Biennale Mediacity Seoul 2016」(ソウル市立美術館,2016),個展に「滲み出る板」(GALLERY MIDORI.SO,東京,2015),「超・いま・ここ」(CALM & PUNK GALLERY,東京,2017)など.企画展「イン・ア・ゲームスケープ:ヴィデオ・ゲームの風景,リアリティ,物語,自我」(ICC,2018–2019)にて共同キュレ―ターを務める.

時里充

1990年兵庫県生まれ.2010年岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー [IAMAS],2012年多摩美術大学卒業.画面やカメラに関する実験と観察を行ない,認知や軽量化といったデジタル性に関する作品を制作発表.小林椋とのユニット「正直」などでライヴ活動を行なう.


出品作家と展示予定作品

アグネス吉井

白井愛咲とKEKEによる2人組コンテンポラリー・ダンス・ユニット.街を歩き,外で踊り,短い映像を数多くSNSに投稿している.場所の特性(凹凸や傾斜,地形など)によって振り付けられるため,アグネス吉井のダンスは完全にサイト・スペシフィックであり,身体ではなく場所が主役となる.Instagram,Twitter(@aguyoshi)のほか,街歩きの様子は毎月更新するnote「もやもやアグよし」でも公開中.

https://aguyoshi.net/
展示予定作品 《ここにもいる》2021年 新作

屋内外のさまざまな場所の特性に触発されて,サイト・スペシフィックな,空間の固有の形状に同化するようにパフォーマンスを行なってきた彼らが,自らアヴァターとなって,ヴァーチュアル初台およびハイパーICCに現れます.そして,現実の展覧会場にも,ヴァーチュアルな彼らと本物の彼らが現れるかもしれません.


尾焼津早織

1995年生まれ.2020年情報科学芸術大学院大学[IAMAS]メディア表現研究科修了.メディアの形や特性に合わせた新しいマンガ表現をテーマに活動している.現在は,ページというフレームに捉われない自由なコマ構成でズームやパンニングといったカメラワークで読ませる「ハイパーフレーミング・コミック」という独自の手法で制作を行なう.近年の活動に,エマージェンシーズ! 037「ハイパーフレーミング・コミック」(ICC,2019),「TRANS BOOKS 2019」(TAM COWORKING TOKYO,2019)など.

展示予定作品  《全天球コミック》2021年 新作

尾焼津による「ハイパー・フレーミング・コミック」は,ページをめくって読み進むマンガではなく,映像表現の手法を取り入れた,新しいマンガの読み方を提案しています.カメラの動き,画面の移動に従ってストーリーを展開させることによって,従来のマンガの形式にとらわれない,紙の本とも電子書籍とも異なるメディアとしてのマンガの提示方法をさまざまに試みてきました.今回は,VR環境で展開するマンガを考案し,3次元空間に没入して読むマンガを制作します.


谷口暁彦

展示予定作品  《谷口部長の美術部3D in ハイパーICC》2021年 新作

2015年,ICC キッズ・プログラムにて展示された「たにぐち部長の美術部3D—メディア・アート編—」.この作品の中の架空のキャラクター,「部長」と「ひろし」の二人が再び登場します.ヴァーチュアル・ギャラリーへの来場者として二人は登場し,展示内を散策しながら,ヴァーチュアルな空間について考察していきます.

《ヴァーチュアル・フォトグラフィ/ヴァーチュアル自撮り》

ヴァーチュアルなギャラリー内で,ヴァーチュアルなスマートフォンを使って写真撮影が行なえます.撮影した写真は,体験している鑑賞者のPCに保存されたり,現実の会場からプリントアウトすることもできます.現実とヴァーチュアルを行き来するような写真撮影を体験できます.


原田郁

現代美術家.1982年生まれ.2007年東京造形大学大学院美術専攻領域絵画科修了.2009年よりコンピュータ内に架空の世界を立ち上げ,仮想世界と現実世界を往来しながら,その世界の中に入った自分が目にする擬似体験による風景を,主に絵画作品として描くという制作を行なう.近年は,協働制作による,作品の痕跡を仮想世界の中に取り込む試みなども始めている.これまで多くの個展を開催し,海外アートフェアなどにも多数参加している.

https://www.ikuharada.com/
展示予定作品  《WHITE CUBE - WHITE CUBE》2021年 新作

絵画(あるいは平面)は歴史的に「窓」とたとえられる事がありますが,それにもとづいて現代では,PCやスマホのディスプレイ画面もまた矩形の窓として捉える事ができます.インスタレーション《WHITE CUBE - WHITE CUBE》は仮想世界の3D空間を錯視の構造を利用して解体し,実空間に2D(平面)で配置をしています.あるポイントに立ちスマホで覗くと現実に落とす影や気配などを多重に取りこみながら,鑑賞者が持つそれぞれのデヴァイスの「窓」の中で3D空間が結合し立ち上がります.


藤倉麻子

1992年生まれ.2016年東京外国語大学ペルシア語専攻を卒業した後2018年東京藝術大学大学院メディア映像専攻修了.現代の都市に存在する原始的な呪術性を見出すことをテーマに,人工的なテクスチャと触覚性に注目したイメージを強調した3DCGアニメーションの手法で都市の風景を制作.人間によって生産された工業製品が,人間の制御や本来の機能から逸脱し,都市の様々なインフラストラクチャーや工業製品が無制御に自走する映像を中心としたインスタレーションを展開している.
個展に,エマージェンシーズ!035 《群生地放送》(ICC,2018).グループ展に,「Close to Nature, Next to Humanity」(台東美術館,台東,台湾,2020),PHENOMENON: RGB(ラフォーレミュージアム原宿,東京,2019),など.LUMINE meets ART AWARD2020グランプリ受賞.

展示予定作品  新作 タイトル未定

乾燥した平らな土地の上に現われる,人工的かつ有機的な質感をもった極彩色の都市風景.藤倉がコンピュータ・グラフィックスで描き出す風景は,加速する現代社会の行き着く果てのようなディストピア,あるいは境界をなくした人工物と自然物が並び立つ楽園のような都市像です.今回の展示では,AR技術を使って,展示空間に作られた作品に,CGのイメージを重ね合わせて鑑賞することができます.また,家でも,あるいは屋外でスマートフォンをかざすことでも,ARによる都市像を重ね合わせることができます.


山内祥太

1992年生まれ,神奈川県在住.2014年金沢美術工芸大学卒業,2016年東京芸術大学映像研究科メディア映像専攻修了.私と世界の関係を様々なメディアを通して,明らかにしようと試みる.代表的な作品では,3DCGとクロマキー合成という簡易的な合成方法を組み合わせた映像作品や,近年はVRを体験すること自体を作品とする自己言及的かつパフォーマティブな作品制作にも取り組む.デジタル的な新しさだけを追い求めるのではなく,人間的な生々しさや,普遍性を絶えず意識し制作に取り組んでいる.
主な展覧会歴に,「六本木クロッシング2019 —つないでみる」(森美術館,東京, 2019),「イン・ア・ゲームスケープ:ヴィデオ・ゲームの風景,リアリティ,物語,自我」(ICC,東京, 2018–19),「WROビエンナーレ2019 —HUMAN ASPECT」(Four Domes Pavilion ポーランド,ヴロツワフ,2019,「TOKYO 2021—un/real engine —慰霊のエンジニアリング」(戸田建設本社ビル1F,東京,2019)

展示予定作品  《あつまるな やまひょうと森》2021年 新作

「あつまれ どうぶつの森」を模したゲーム空間に山内のアヴァターが住んでいます.同じ人間が現実世界に一人しかいないように,ヴァーチュアル世界の山内のアヴァターも一人しか存在しません.体験者はネットワークを介して一人のアヴァターをみんなで操作することになります.
このゲームでは部屋を作り変えたり,服の着せ替えができたり,手紙を書いたりして,アヴァターとコミュニケーションを図ることができますが,従来のテレビ・ゲームやインターネット・ゲームでは表現できない,生々しいコミュニケーション表現に挑戦しています.作家は,ゲームというもう一つの世界を通して人間の暴力性について問いかけます.


山本悠と時里充

山本悠:1988年埼玉県生まれ.2012年多摩美術大学美術学部絵画学科卒業.イラストレーションを中心に,展覧会,出版物,広告,音楽作品などの分野で活動する.角銅真実「Dance」のミュージック・ヴィデオや網守翔平「パタミュージック」のアートディレクション,砂山太一と浜田晶則の展覧会「鏡と天秤」のグラフィックデザインなど.

展示予定作品  《ハイパー・オクトパス・ガーデン》2021年 新作

トイレットペーパーの芯を切って作るタコのような,簡単に説明することができる工作をモチーフとした作品です.加工の過程を伝える音声や,形状の外見をもとに,工作のプロセスを想像し,ヴァーチュアルな工作の空間を作り出すことができます.さらに,身近な材料を用いて,鑑賞者自身の手で工作を再現することもできます.
ハイパーICCでは,タコやチョウなど,工作たちが生き物のように動き回る机の上の世界が展開します.実際の展示会場やポッドキャスト上でも,物理的に異なる条件のもとで,それぞれに固有のヴァーチュアルな工作の空間が展開します.


新型コロナウイルス対策

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]では,新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のため,お客様ならびにスタッフの健康と安全を考慮し,ご来館される全てのお客様に以下の対応のご協力をお願い申し上げます.

■ 下記に該当する方は,ご入館をお断りさせていただきます.

  • 37.5度以上の発熱症状がある方.(入館時にサーモカメラ及び,非接触型体温計での体温計測を実施します.)
  • 過去2週間以内に,感染拡大地域や国への渡航をされた方.
  • 発熱,咳,鼻水,倦怠感の症状が続くなど,体調不良の方.
  • マスクを着用されていない方.

最新情報はICCウェブサイト(https://www.ntticc.or.jp/)などでお知らせします.

広報に関するお問い合わせ

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

企画担当:畠中実,指吸保子 広報担当:赤坂恵美子

TEL:03-5353-0800 FAX:03-5353-0900
URL:https://www.ntticc.or.jp/

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