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ネットワーク・ビブリオグラフィ
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ネットワークは国境を越える?
デジタルアートは誰のもの?
公開座談会
NS'95パソコン倶楽部
 
1995年3月 [終了しました.]





イヴェント


デジタルアートは誰のもの?

出席者: 安斎利洋(アーティスト),藤幡正樹(慶應義塾大学助教授),引地信之松田政行黒崎政男岩井克人戸田ツトム

 これまで,著作権は,支障が生じたときにだけかかわりのある法律の世界のもので,創作活動にとって,いわば二義的な問題にすぎないと考えられてきたように思われます.しかし,オリジナルと同じものが容易に複製できるデジタル時代になって,生み出された作品はいったい誰のものなのか,そしてどういう具合に流通するのが望ましいのか,ということは本質的な問題となってきました.

第一回研究会では,そうした問いにたいして,きわめて自覚的に創造活動をおこなっている二人のアーティスト藤幡正樹さんと安斎利洋さんの考えをうかがいました.藤幡さんは,作品をパブリックドメインにする,と言い,安斎さんは,シェアアートを提唱されます.さらに,フリー・ソフトウェアの流通の振興を目的とした団体フリー・ソフトウェア・ファウンデーション(FSF)の運動にかかわられている引地信之さんに,FSFのラディカルな主張とその活動についてお話しいただいきました.その後,弁護士の松田政行さんに加わっていただき,ディスカッションをおこないました.

【第一回研究会 目次】

File 0: 内容紹介
File 1: Talk 1 by 安斎利洋 −−「自分の領域の拡大」としての創作活動
File 2: Talk 2 by 藤幡正樹 −−「所有」から「共有」へ
File 3: Discussion 0    −− Between the Talks
File 4: Talk 3 by 引地信之 −−コピーレフト運動のアポリアとその未来
File 5: Discussion 1 −−自分たちのルールは自分たちで決められる
File 6: Discussion 2 −−マルチメディアのロイヤリティ
File 7: Discussion 3 −−「生きている魚」こそおもしろい
File 8: After Talking 1 −−芸術家と法律家
File 9: After Talking 2 −−富んでるものは自由になれる?





第二回研究会は,知的財産権とか著作権といったものがそもそもどういったものなのか,価値とはどういうものなのか,デジタル時代になってどう変わっていくか,その土台を探っていきます.
『インターコミュニケーション』誌をはじめとするメディアで,著者性の問題について論じられている哲学者の黒崎政男さん,最近デジタルキャッシュについて洞察に富む指摘をされている経済学者の岩井克人さん,早くからコンピュータを仕事に取り入れられ,メディアのコンセプトについて先鋭な発言をされるデザイナーの戸田ツトムさんに参加していただきました.


【第二回研究会 目次】

Talk 1——by 黒崎政男
<著者はいない><強固な「著者」><芸術作品のコピーフリーな時代>
<「オリジナルとコピー」問題><デジタル時代の作品の対価>
Talk 2——by 岩井克人
<著作権とは何か><オーソリティーの復権><絶対的なオーサーシップ>
<価値の源泉><「著者」の責任>
Talk 3——by 戸田ツトム
<著作権体験><アートとは何か><デジタルとは何か>
<デジタルアートは誰のもの?><メディアの著作権>
Discussion
<デジタル時代のオーサーシップ 1><デジタル時代のオーサーシップ 2>
<死を賭したコピー><価値とは何か>
<資本主義社会の倫理><「著者」になりうる少数者>
<著作権のふたつの概念——人格権と経済行為><普遍的な市場原理>
<デジタルメディアは商品たりうるか><著作権料徴集システム>