多摩美術大学と東京大学が共同で取り組んでいる「ARTSAT:衛星芸術プロジェクト」は,地球を周回する衛星を「宇宙と地上を結ぶメディア」であるととらえ,そこからサウンド・アートやインタラクティヴなメディア・アート作品など,さまざまな芸術作品を制作展開していくプロジェクトです.
衛星のオープンかつソーシャルな運用を可能にすることで,衛星を一部の専門家のものから市民の日常のメディアへと変え,宇宙を舞台にした科学技術と芸術デザインを交流させる具体例を,社会に向けて発信することをめざしています.
独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が提供する,2014年2月に打上げ予定のH-IIAロケットの相乗り小型衛星として,「ARTSAT:衛星芸術プロジェクト」が提案した世界初の芸術衛星「ARTSAT1: INVADER」が選定されました.衛星の打ち上げに成功すれば,1年程度軌道に滞在し,その間にさまざまなイヴェントが開催される予定です.
この衛星芸術プロジェクト『ARTSAT:イントロダクション』では,衛星の打ち上げに先立ち,このプロジェクトで行なわれようとしているさまざまな計画案を社会に提案することで,その意味や可能性を議論する場となることを目的としています.展示は,衛星に関する基本情報を紹介する『マンメイド・ムーン』,衛星芸術表現に関する実験と制作を行なう『フィジカル・サテライト』,衛星およびその開発プロセスを展示する『アートサット1:インヴェーダー』の三期に分けて展開されます.