ICCの教育活動の一環として行なった公開型ワークショップ.30人の高校生が,家庭電化製品などの廃棄物,いわゆるジャンクを使って光ったり,動いたりするオリジナルのアート作品を制作した.ワークショップはまず参加者が6名ずつのチームに分かれて作品のプランを共同で練るところから始まった.企画者である森岡祥倫氏,講師アーティストである松村泰三氏,森脇裕之氏のアドヴァイスを得,参考作品を鑑賞しながら参加者は徐々に作品のイメージを膨らませていった.実際の制作作業は,各チームにひとりずつ相談役のチューターも加わって,ワークショップの課題のひとつである「光と運動」の要素を一定数含むこと,それらが「玉突き式」につながれた場合にスムーズに動くことを条件として熱心に行なわれた.最終日には参加者の家族や友人,学校関係者の前で,すべての作品をつなぎあわせて作動させる「玉突き式展示」の発表会が行なわれた.参加者各人が制作を通してテーマを掘り下げるとともに,グループ・ワークの楽しさ,難しさを経験する内容となった.
『ICCコンセプト・ブック』(NTT出版,1997)より引用