パリにあるポンピドゥー・センター音響音楽総合研究所(IRCAM)は,コンピュータ音楽と音響工学の音楽への応用を広く研究している.マヌリ氏はIRCAMを代表する作曲家の一人であり,パケット氏は,コンピュータ音楽の最も代表的なアプリケーションとして世界中で認識されている「MAX」の開発者である.二人は作曲家,エンジニアとして1988年に《ピアノと4Xコンピュータのための“Pluto”》という作品(現在はISPWを使う)を制作した.この作品を初演した野平一郎氏を交え,ますます複雑になりつつある現代のテクノロジー環境での音楽創作について,作曲家,エンジニア,演奏家,それぞれの立場から語った.
講師:フィリップ・マヌリ(作曲家),ミラー・パケット(科学者),野平一郎(作曲家),萊孝之(作曲家)
『ICCコンセプト・ブック』(NTT出版,1997)より引用