共感覚的,多次元的なマルチメディア社会の到来とともに,従来の生産効率型の情報産業社会が破綻し,画一的な既存の質量価値では計量化できない,内部情報の意味が重視されはじめている.人間の意識,知覚,感覚,情緒,認知といった生体の複雑で精妙な問題に新しい光が注がれるなか,知識ベースの情報処理環境から精神や心といった人間の深部のコミュニケーション環境への移行の核心をSIGGRAPH,ISEA などの最新のアート・フィールドから探っていった.
講師:伊藤俊治,タナカノリユキ(アーティスト),有馬純寿(メディア・アート評論)
『ICCコンセプト・ブック』(NTT出版,1997)より引用