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コンテンツ紹介

「オープン・スペース 2011」IAMAS SIDPの紹介

2012年2月29日 17:07

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今回のTOPICCSでは,IAMAS サーフェイス・インターフェイス・デザイン・プロジェクトの紹介とアップデートされてきた作品について着目してみたいと思います.


IAMAS サーフェイス・インターフェイス・デザイン・プロジェクトは,GUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェイス)の概念を拡張し,デザインの対象を素材性や工芸性,薄膜性から捉え,これらの背景となる技術的要素を取り込みながら,機能と芸術性のマッチングによる新しい価値観の創出をめざすプロジェクトです.

大学でのプロジェクトの進行に並行するように,ICCでの展示内容もアップデートされてきました.

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撮影:木奥恵三


プロジェクトのイントロダクションとして,コンセプト・デザイン・ブック「サーフェイス・スイッチ・ブック」が展示されています.
電気を通すということを本の上で実現するために,デザイナーたちがスイッチング・グラフィック(スイッチの役割をはたすグラフィック)のあり方をそれぞれのコンテキストによって提案しています.

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撮影:木奥恵三


ICCでの展示では,作家それぞれのアイデアとデザインを展示としてまとめるため,オープンスペース・プレゼンテーション・シナリオ「Cycle」(岸本美樹)を元に作品が制作されています.


「光木」(坂本隆成,岸本美樹,小林桂子,髙木智恵子)
こちらは「サーフェイス・スイッチ・ブック」にある「かべがみスイッチ」から発展した作品です.カーボン導電紙を使いスイッチの機能を実現しています.木の養分を吸って光る苔とキノコとそれらに集まる昆虫の対応関係がグラフィカルに表現され,昆虫に触れることで対応する苔やキノコは光る様子を変化させます.また「光木」に咲く花は,マグネットで貼付けられる蝶が花の雄しべにとまることで色味を変えます.
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撮影:木奥恵三


「環の音」(瀬川晃,協力:金正運)
花をイメージした円形テーブルの作品群で,ICCでは「bee」「butterfly」「beetle」3作品が展示されています.花をイメージしたグラフィックから,デヴァイスのカメラやタッチ・インターフェイスを利用したインタラクションが起こります.

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撮影:木奥恵三


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撮影:木奥恵三

会期中に追加された「beetle」は,グラフィカルに配置された再帰性反射フィルムと,それに反射する光をカメラを通して見ることでオルゴールのように音を奏でる作品です.
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「金箔転写」(髙木智恵子,岸本美樹)
導電インクを使うのではなく,導電する媒体として金箔を使っています.
ある博物館の館内マップをモチーフに,マップに触れたところの展示コンテンツを表示できるグラフィカルなインターフェイスを提案する作品です.
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「オンボード絵詞」(藤堂高行,協力:フォルマント兄弟)
こちらは感光基板という印刷したグラフィックから電子基板を作成するものを使っています.通常は電子回路を実装したりするので電気の道筋は細く直線的になりますが,そのようにはせずグラフィカルな表現に使い,タッチセンサーとして機能させています.百人一首の句を変体仮名で表記することで,字と字がつながるようにデザインし,回路として成り立たせています.
触れることで音声読み上げが起こるようになっており,読み上げの音声は「高音キン」というフォルマント兄弟が制作した人工音声キャラクターによるものです.
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さらに基板に染色をして,より工芸的で芸術性を高めたバージョンも追加展示されました.

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「ファイブ・エレメンツ・カラー・フィールド」(柳川智之,関口敦仁,遠藤孝則,都築透,藤堂高行)
グラフィカル・インターフェイスの新しい提案として,ICタグのアンテナをグラフィカルなアイコンとしてデザインしています.通常,ICタグのアンテナはコイル状になっていますが,アンテナ形態の解析を行ないながら,機能するグラフィック・アイコンを実現しています.
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撮影:木奥恵三

会期中にアンテナの素材がいろいろと試されてきました.エナメル線を使いアクリル板に掘った溝に沿わせるように制作したもの,アクリル板の溝に導電性のペーストインクを流し込んだもの,サーマルインクを糊にして金箔を貼付けたもの,蒸着技術を利用したものなどがあります.

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ICCのポッドキャスト・サーヴィス「チャンネルICC」でプロジェクト代表の関口敦仁さんへのインタヴューも公開しています.


また,IAMASの附置機関である産業文化研究センター(Research Center for Industrial Culture,通称RCIC)が制作した展示紹介動画も公開されています.http://www.iamas.ac.jp/J/iamasch.html


あわせてご覧いただければと思います.


オープン・スペース 2011
会期:2011年10月22日(土)―2012年3月18日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーBほか
開館時間:午前11時—午後6時
休館日:月曜日
入場無料
主催:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
/ja/feature/2011/Openspace2011/index_j.html


[Ka.T.]