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《The Spumoni》 [2023] “The Spumoni”

伊阪柊

作品解説

時代や場所の判然としない,地球ではないどこか別の惑星かのような場所を舞台に,生物のようにも見える2体のオブジェクトが対話を行なっています.この3DCGによる映像は,ある実際に起きた出来事に触発されて制作されたものですが,伊阪はそのモチーフとなった出来事や場所をめぐって,そこからはかけ離れた別の時空間へと出来事の関係を飛躍させることで,仮説としてのフィクショナルなドキュメンタリーを立ち上げるのです.

伊阪は,自然科学では説明できない出来事や不可視な現象などをリサーチし,そのフィールドワークによって得られた事実と,そこから導かれた仮説から,複数の事象や時空を接続することで,独自の話法による作品を映像インスタレーションとして発表してきました.また,3DCG,VR,自作の観測,鑑賞装置などを用いた映像表現の拡張としてのインスタレーションを模索しています.

《The Spumoni》は,3DCGによる映像作品シリーズ「Sp-s」の最新作にあたり(2021年の「オープン・スペース 2021 ニュー・フラットランド」展では,《Sprites》が展示されています),この作品では2021年から2022年にかけて太平洋で発生した大きな火山噴火が制作のきっかけとなっています.

タイトルとなったSpumoni(スプモーニ)とは,イタリアの氷菓で,その名称はイタリア語の「泡」(spuma)に由来しています.この氷菓の製造過程と作品中で語られる軽石や火山灰の生成過程との相似に着目し,その両者の構造の類似性など,イマジネーションの中で結びつけながら,地質学的な時間をとらえる超然的な視点による話法を獲得しています.

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