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《The Focus》 [2013] “The Focus”

葉山嶺

作品解説

《The Focus》は,主に古い写真集を再撮影したイメージで構成される映像作品です.火山,山脈,遊牧民などを写したイメージと,それとともに織り交ぜられる葉山自身によるテキストは,ナサニエル・ホーソーンの短編小説『地球の大燔祭(Earth’s Holocaust)』(1844)からゆるやかにインスパイアされています.ホーソーンはこの短編で,人類が作り出してきたあらゆる文化的産物を焼き尽くそうと巨大な焚き火に集う人々と,それを前に会話する二人の男を描いています.《The Focus》はその物語と並走し,また後を引き継ぐように,自らの創造したものを手放しても,なお意味を生成・探究することをやめられない人間の意識を,持続音やフィルム・印刷物の粒子のモアレにより暗示しています.

本展覧会では,《The Focus》と同様に地質学,民俗学,宇宙科学を扱う古い本に掲載された図版を再撮影した写真を素材とした映像作品《聴こえない足音》と,紙でできた現代の典型的な家屋が燃えていく様子を,「映画の父」と呼ばれるリュミエール兄弟の初期映画にならって手回しハンドルのカメラで撮影した約一分間の映像作品《Reportage !》を併せて展示します.

葉山は,写真や印刷物など遠い時空の痕跡を「いま・ここ」に引き寄せ,創造物や想像的なものを「自然の現実」と統合することにより,マクロコスモスの時間の中に宙吊りになった人間の物語の存在を浮かび上がらせています.

TOTAL TIME: 26:00

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