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《遠心力体験装置》 [2011] “The Experience of Fliehkraft”

ティル・ノヴァク

《遠心力体験装置》

作品解説

一見すると,遊園地のアトラクションのような7つの遊具の映像ですが,それらは常軌を逸した,普通ではありえないような構造や挙動を伴っています.高速に回転する巨大な球体から放射状に,その遠心力によって飛び出す回転ブランコ,または,一周するのに14時間もかかるという巨大な構造をもった観覧車,などなど.これらのアトラクションは,主に高速な回転運動によって強力な遠心力や加速度を体験できるようにデザインされています.

もちろん,実際にはこのようなアトラクションは実現していません.この作品は,遠心力が人間の脳に与える影響を研究する「遠心力研究所」の研究という設定に基づいて制作された架空のドキュメンタリーです.CGで実写と合成された架空のアトラクションは,スフェロソン,ウエディング・ケーキ,エクスパンダー,ダンデライオン,高高度観覧車,蒸気圧射出機,シュヴィング・マシーンと名付けられ,それぞれ詳細な設計図とともに展示されています.

ノヴァクは,これらの乗り物を,文明のカリカチュア(戯画)として描いており,乗客が回転に伴う遠心力を体験する様子は,私たちが現実から逃避したいという願望を象徴しているのだと言います.それは,フランスの思想家ロジェ・カイヨワが,人間の遊びを4つに分類し,そのひとつを「めまい(イリンクス)」と定義したこととも結びつけられるでしょう.

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