多角形2枚でひとつの辺を共有し,かつ角度の和がどの頂点周りも360度を超えるように周期的に無限枚の多角形を連結した構造はスポンジ多面体(Sponge-shaped polyhedron)や無限多面体(Infinite polyhedron)と呼ばれます.
正八面体を連結したスポンジ多面体を,傾いた正三角形グリッドによってさらに分割することで,帯が絡まりあうような周期的な立体構造が得られました.この正三角形グリッドによる分割は,「正四面体の測地線分割」[西本2019, Nishimoto et al. 2022]を四面体以外へ応用したものです.
多面体上の帯をジッパーで構成した本作品は,3色の帯が対称に組み合わさってできています.帯は単一のユニットの繰り返しで構成されており,ユニットのつなげ方を変えると正四面体や他の多面体を作ることもできます.
帯が多面体上をどのようにたどっているか,観察してみてください.
(西本清里)