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《ソノラマ「このはら」》 [2016] “Sonorama ‘Invitations’ ”

大島拓郎

作品解説

技法:(1)コイル,(2)磁石,を与えられたものとせよ

本作品は,子供の頃によく遊んだ山や野原の風景を下敷きに展開したソノラマ作品である.素材として布やフェルトなどを用いることで,ぬいぐるみや人形遊びの世界をテーブルいっぱいに広げた.

鳥のダンス,カエルの合唱,ミツバチの飛行.コイルの巣の中で磁石を手にした鳥は踊り,磁力を持ったカエルは蓮に乗って歌い出し,ミツバチは磁石の上で羽ばたいている.テーブルの上に少し奇妙な自然の風景が展開されている.電子音響を電気信号から生じる振動と捉えれば,本作品はひとつの生態系により構築された音の風景である.

とは言え,マリー・シェーファーが聴覚を切り口に提唱したサウンドスケープ(音の風景)と本作品の描く音の風景は異なる.そこで私は,この箱庭やジオラマにより音の風景を展開する表現を「ソノラマ(Sonorama)」と名付ける.「ソノラマ」とは,「音」を意味するラテン語sonusと「眺め」を意味するギリシャ語horamaを合わせた造語である.

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