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《見ることは信じること》 [1996] “Seeing Is Believing”

八谷和彦

《見ることは信じること》

作品解説

展示室の中に設置された電光掲示板は,赤外線LEDで大部分が構成されているため文字には見えず,一部の可視光LEDの明滅だけが肉眼で見られるようになっています.ただし専用のヴューワー「ヒツジ」を通して見ると,発表当時開催されていた《メガ日記》というプロジェクトで集められたテキストを読むことができます.

1995年に始まった《メガ日記》は,パソコン通信やインターネットを通じて,さまざまな人たちに日記を書いてもらう試みでした.作者は,プロジェクト開始のきっかけとして,世界中の人が書いた日記を収めた図書館が夢に出てきたことを挙げています.ブログやTwitterをはじめとするウェブ・サーヴィスが浸透した現在では,作者の夢に出てきた図書館は,ある意味で実現したと言えます.

もちろん,知ろうとする意志がないかぎり,他人の生活が私たちの目に触れることはありません.たとえ見たとしても,その人のことを完全に理解することはできないでしょう.「ヒツジ」をのぞき,誰かがいつかどこかで書いた日記を読んでいると,断片的な情報から他者の存在を想像し,知ろうとする努力によって,コミュニケーションがまがりなりにも成立しているのだということが感じられるのではないでしょうか.

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