展示室中央に設置された白いキューブの各側面にミュージシャンのシルエットが投影され,キューブの内部からはミュージシャンたちによる演奏音が聞こえてきます.このシルエットと演奏音は,8名のミュージシャンが個別に即興演奏を行なった様子を事前に記録したものです.各シークエンスの時間的な配置がコンピュータ・プログラムによって制御されることで,相互に干渉し,にじみあうようなアンサンブルが絶えず生み出されます.
キューブの各側面と正対する展示室の壁面にはスクリーンが設置され,木,鉄,液体などで作られたオブジェのディテールが映し出されます.これらの物質の映像は,キューブに投影されたミュージシャンの演奏に合わせて振動/流動していきます.
観客は,キューブの4面,さらにそれを取り囲む壁面を同時にすべて見ることはできないため,すべての演奏者の音を同時に聴くことはできても,全貌を見渡すことはできないしくみとなっています.
ディレクション/サウンド・コンポジション:大友良英
アート・ディレクション(キューブ・スクリーン):木村友紀
ヴィデオ/オブジェクツ(アウター・スクリーン):ベネディクト・ドリュー
アルゴリズム・デザイン/プログラミング/システム:平川紀道
録音/音響調整:伊藤隆之(YCAM)
撮影:大脇理智(YCAM)
撮影アシスタント(キューブ・スクリーン):村田宗一郎
テクニカル・サポート:濱哲史
ギター/ターンテーブル:大友良英
ヴォイス:カヒミ・カリィ
シンセサイザー/ギター:ジム・オルーク
笙:石川 高
パーカッション:一楽儀光
トランペット:アクセル・ドゥナー
ドラムス/パーカッション:マーティン・ブランドルマイヤー
サインウェイヴス:Sachiko M
共同開発:YCAM InterLab