青柳と細井は,記録やアーカイヴの残し方やあり方,さらにそれらがどう活かされていくかということについて,それぞれ関心を寄せてきました.今回,二人の名義による初めての作品として,東京湾の人工島(埋立地)での記録を素材としたインスタレーションを制作します.
約430年前から始まった東京湾の埋め立てを巡っては,建築家や都市計画家,政治家,芸術家らによってさまざまな構想やイメージが描かれてきました.本作は,そういった想像力とともに驚くべき変化を遂げてきた東京湾人工島が埋め立てられるはるか前である1000年前に立ち戻ることができるかをテーマとしています.現代の記録を手がかりに,それぞれが映像(青柳)と音(細井)からアプローチしていきます.二人の異なる捉え方によって,1000年前を現在から想像し,それを1000年後に照射するイマジナリーな風景を描きます.