リンツのフェストアルピーネ(Voestalpine)製鉄工場における,鉄の製造過程という具体的な状況が映し出されています.熱された鉄と,水によって冷やされ,水しぶきと蒸気に包まれた,色鮮やかな輝く鋼板の流れと,振動センサーによって感知される衝撃音と持続的なノイズは,どこか抽象的な光景として感じられるかもしれません.
フォンタナは,自身の音響作品のことを「音響彫刻(Sound Sculpture)」と呼んでいます.それは,地理的に離れたふたつの都市の音を同時に聴くことで,さまざまな音の要素から連想される意味や記憶を鑑賞者に想起させるもので,1970年代より,美術館のスピーカーで流したり,ラジオで放送したりするプロジェクトを行なっています.
《リニア・ヴィジョンズ》 [2014] “Linear Visions”
ビル・フォンタナ
《リニア・ヴィジョンズ》
《リニア・ヴィジョンズ》2014年
《リニア・ヴィジョンズ》2014年
撮影:木奥恵三
撮影:木奥恵三
撮影:木奥恵三
撮影:木奥恵三