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《新地登記簿》 [2024] “Land Registry”

青柳菜摘+細井美裕

作品解説

想像することがむずかしいほどの遥か遠くの過去や未来を思い描くことはできるでしょうか.現実的には,過去や未来,あるいは空想の,いまここに存在しない時空の出来事を撮影したり録音したりすることは,現在の技術では困難です.現在では,生成系AIの使用によって,たとえば,誰かがある文章を読んだ時に,脳内に想像されるイメージを取り出すかのように,想像された未来を文字からイメージ化することが可能です.そこには人間の記憶や想像力を超えた,過去や未来を垣間見ることができるかもしれません.

青柳菜摘と細井美裕は,今回初めてのコラボレーションを行ない,インスタレーションを制作しました.ふたりは東京湾の人工島(埋立地)で映像と音声の収録を行ない,それを素材として,現在を起点とした,拡張された現在として,過去と未来を透視させる場を作ることを試みています.それは,現在の東京から遥か遠くの過去や未来を想像することでもあるでしょう.

展示室内に造られた構造物は,螺旋状に連続する過去と未来への時間の延長を示唆しています.そこに青柳の映像と詩,細井の音響が,人工的な土地というモチーフにたいして,それぞれのイマジネーションを拮抗させるように,同期しない関係性によって,ユートピアあるいはディストピアとしての,新しい,どこにもない,しかし,どこか抽象化された世界について考えさせる場所のイメージを生成しています.


ドラマトゥルク:和田信太郎
テクニカル・ディレクター:イトウユウヤ
空間構成協働:井上岳(GROUP)
サウンド・エンジニア:奥田泰次

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