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《ケプラーのタマゴ》 [2015] “Kepler Breaking the Egg”

大島拓郎

《ケプラーのタマゴ》

作品解説

技法:予め吹きこまれた音響のない(もしくはある)レコード

クリストファー・コロンブスが1492年にアメリカ大陸を発見し一躍名声を手に入れた際,新大陸発見を祝う凱旋式典でコロンブスの成功に対して「誰にでもできることだ」と指摘する人々がいた.コロンブスは彼らに「卵を立たせられるか」と問うが,誰も卵を立たせることはできなかった.するとコロンブスは卵の尻をテーブルで潰し立たせて見せた.

レコードの溝は円形に刻まれることが一般的である.変形レコードと呼ばれるものもレコードの外形は様々な形をしていても音響の刻まれる溝は円形に限られる.一方,本作品ではレコードの溝は衛星軌道のような楕円形をしており,外形は卵型,中心にあるべき穴が偏った位置に空けられている.また,再生時にはアームと曲げられたレコードが回転する度に接触し,レコード針は盤面の外側へ戻され,レコードはターンテーブルから跳ね上がる動きを繰り返す.アームとレコード両者の運動により何度も異なる音響が再生される.

これは通常,我々が想像するレコードからかけ離れた形ではあるが,盤面に刻まれた溝から音響が再生される状態が保たれれば,それは「レコード」と呼べるのではないか.とすれば,本作品は一般的にレコードでは不可能とされていた楕円形状を実現した「楕円のレコード」であろう.

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