展示空間の中に進み,手のひらを天井に向けるような動作をすると,差し出した手のひらに映像が表示されます.それぞれの手には別々の映像が表示されていて,二つの手をくっつけることで,二つの映像が組み合わさって新しい別の映像が再生されます.さらにこの新しい映像を片手に置いて,逆の手で次の映像を捕まえ,それらを組み合わせると,次々に手のひらの映像の世界が展開してゆきます.
この研究は,人間がコンピュータや映像装置を操作する際の,新しい対話技法を提案しています.ボタンやスイッチ,マウス,キーボードといった機械的なインターフェイスから,手のひらという日常的な身体そのものによる所作へと発展させるための手法を,具体的なシステムを開発することで分かりやすく伝えています.
石井陽子+中茂睦裕+小林稔
NTTサイバーソリューション研究所