デヴァイスを持って,三次元空間にインストールされた見えない色相環(水平方向:彩度,垂直方向:明度)の中を移動し,それによって取得される位置情報とインタラクションすることで音響と映像が生成されます.
この作品は,「色聴」と呼ばれる,音楽や音を聞いて色を感じる知覚現象に関する,1900年代初頭にラングフェルトによって行なわれた対照実験*に基づく,音と色との共感覚をテーマとしたオーディオ/ヴィジュアル・インスタレーションです.共感覚とは,文字や数字,または音から色を,あるいは形から味を感覚したりするような,ある刺激に対して異なる種類の感覚を生じさせる,一部の人にみられる特殊な知覚現象をいいます.
空間内で起こる出来事が相互に関わり合いながら構成され,鑑賞者は空間を体験しながら,同時に作品を作り出す重要な要素ともなります.空間内の環境は,それぞれの鑑賞者の異なる動きによって,音と色が無限のコンビネーションを創出するよう設計されており,それによって生み出される,豊かで複雑なレイヤーをもった,音と色のテクスチャーに満たされた空間は,共感覚への想像を鑑賞者の知覚に喚起させます.
*科学研究において,結果を検証するための比較対象を設定した実験.
協力:TouchDesigner by Derivative