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《ふれる ~分離されたピックアップの機構と振り子によるエレキギター》 [2016] “Fureru: electric guitar with separated pickup and pendulum”

佐藤大海

《ふれる ~分離されたピックアップの機構と振り子によるエレキギター》

作品解説

技法:(1)コイル,(2)磁石,を与えられたものとせよ

この作品では,エレクトリックギターのピックアップをコイルと磁石に分離することで,エフェクターによる電気的な変調を媒介せずに,音響信号の振幅を周期的に増減させることによる一連の音響効果を,エレクトリックギターに付与したものである.
本来,エレクトリックギターは,音響信号に様々な電気的処理や演算を行うことで,多様な音色や音響を作り出すことを可能にしてきた.これらの信号の処理は,ピックアップによる物理的な振動から音響信号への変換,エフェクターによる音響信号の変調,アンプによる音響信号の増幅,の主に3つの段階に分けることができる.

今回,それぞれ独立したコイルと磁石を与えられたことで,ピックアップという物理的な振動を電気信号に変換する「かたち」を再発明できるのではないかという視点を得た.そして再発明されたその「かたち」は,振り子によって新たな動力を得ることで電気的な変調なしに,ディレイのような効果,エンベロープにLFOを適用したような効果,それを利用したトレモロのような効果を実現し,異なる基本周波数と倍音を持つ3種類の太さの弦によるコーラス効果やオクターバー効果と複合的に組み合わさっている.

鑑賞者は,おそらく振り子を操作する際,変調のタイミングやその変化の速度などを,自らの感覚で調整しながら演奏したことだろう.ここで重要であるのは,物理的に動作するありえたかもしれないエフェクターそのものだけでなく,今まで我々がエフェクターのつまみでしか介入できなかった音響信号の変調という電気的処理の過程に対して,身体的に直接介入できることである.

演奏方法
1. 振り子を静かに揺らす
2. 弦をピックで弾く

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