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《Filament at anechoic room》 [2015] “Filament at anechoic room”

Filament(Sachiko M,大友良英)

《Filament at anechoic room》

作品解説

無響室の各方向からかすかな電子音が聞こえてきます.それは,長くのびた音から短い音まで,音のない状態も含めて,無響室の各所に配置された複数の音源からランダムに発生しています.また,2台のレコードプレーヤーからは,無音の音溝が刻まれたレコードから発生するレコード針が音溝を擦る音が聞こえてきます.

それらの限定,抑制された要素によって,この空間にはある音の状態が作られています.鑑賞者は,ある時間その状態を体験しますが,各回の体験のどの瞬間にも,完全に同じ状態はなく,音の要素同士の組み合わせはつねに異なっています.また,レコードは,やがて時間をかけてその音溝をすり減らせていきながら,スクラッチ・ノイズを増加していくように,時間とともに摩滅し,変化していきます.

Sachiko Mと大友良英は,作曲された音楽だけではなく,即興音楽という,あらかじめ作曲されていない,つねにその場で生起する音楽を演奏しています.また,即興における究極の状態として,お互いの音を聴かずに演奏するなど,相互の感情によらない即興の試みを行なっています.

この作品は,そうした体験をインスタレーションという鑑賞装置として,もうひとつの即興的音響空間を実現する試みのひとつです.

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