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《M.81の骨格——82番目のポートレイト》 [2024] “Frame of M.81: Volar”

木藤遼太

作品解説

この作品は,フランスの作曲家モーリス・ラヴェルによる「ボレロ」の81種類の異なる演奏音源を小節ごとに分割し,重複なく組み合わせ,その中から54のパターンを抽出し,それらを同期させて再生しています.その音は,遠く彼方から聞こえてくるようにも,また,どこか音の雲のような,茫漠とした音がそこに存在するようにも感じられるかもしれません.

ある楽曲を演奏するということは,スコアというオリジナルにもとづき実演するという前提をもちながら,指揮者や演奏家が各自でさまざまな解釈を加えるという点において,その実演はそれぞれに異なり,新たなヴァージョンを創出する行為ということもできるでしょう.この作品では,同一楽曲の異なる録音ソースから,それら複数の差異を持った音の形が組み合わされることで,本来存在していないはずのヴァーチュアルなヴァージョンが創出されました.それは,空間に音の彫刻が現出しているようにも感じられます.

本展覧会では,2023年度東京藝術大学卒業・修了買上作品に選出された《82番目のポートレイト》を,ICCの無響室でのインスタレーションとして再構成し展示します.発表当時,コンクリートの壁に囲まれた空間での展示を前提に作られた作品を,無響室という空間のために再構成することで,いまいちどその音楽に近づこうとしています.

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