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《クリプト・マイナー・カー》 [2020] “Crypto Miner Car”

ラービッツシスターズ

《クリプト・マイナー・カー》

作品解説

暗号通貨には,従来の通貨における政府や中央銀行などのように,発行や流通を管理する中央集権的な管理機構がありません.その代わりに,世界中にいるネットワークの参加者が取引に不正がないかチェックし承認するプロセスを経て,ネットワーク上で分散管理される取引台帳を更新しています.この承認作業とその報酬として発行される通貨を受け取ることを合わせて「マイニング」と呼びます.暗号通貨が普及し取引台帳のデータ量が増えるのに比例してマイニングに要する計算処理が増大するため,その多大な電力消費が環境負荷の観点から問題になっています.

《クリプト・マイナー・カー》は,暗号通貨のマイニングを行なう計算処理,またそれに伴い膨大に消費される電力を,いかに現在の都市や社会の基盤構造に組み入れることができるかを,気候変動の文脈から模索するプロジェクトです.ラービッツシスターズは,1821年にトーマス・ゼーベックが発見した物体の温度差が電圧に直接変換される現象であるゼーベック効果を利用し,暗号通貨をマイニングするGPUユニットを改造して廃熱を回収する仕組みを考案しました.本展では,マイニングの廃熱によって車の動力を賄うシステムを提示します.このプロジェクトは,近代以降のステータス・シンボルとされてきた自動車を,持続的エネルギー生産と自動運転というトピックを絡めながら,富の再分配の象徴として再提示する試みでもあります.

オンライン展示制作:HAUS

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