スリット・アニメーション(ストライプ状のスリットを動かすことにより絵を動かす技法)の仕組みを使って,ものがたりを語る装置です.6台のスリットのスクリーンがレールの上をゆっくり動いていきます.ドローイングの前を通ると,いくつもの場面がえがかれたドローイングが動き出します.ドローイングはばらばらに動いているように見えますが,それぞれのイメージはどこから見はじめてもよく,ひとつのものがたりとつながっていて,始まりも終わりもない,ウミネコのものがたりが語られます.
《寓話の寓話》は,スリット・アニメーションによって,ものがたりを語る装置です.複数の自走スリットがドローイングの前をゆっくり通っていくと,いくつもの時空間が描かれたドローイングがばらばらに動き出します.それでいて,すべてのイメージは,一つのものがたりとしてつながっていて,始まりも終わりもない,ウミネコのものがたりが語られます.
タイトルの《寓話の寓話(A Fable of a fable)》には,「始まりも終わりもなく常に過程であり,構造全体の中心もなく,果てしないひろがりをもったひとつのものがたりを写し取ろうとした,あるひとつの小さくて私的な試み」という意味が込められています.
技術協力:やんツー助成:公益財団法人小笠原敏晶記念財団