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《内部観測者のための円環構造》 [2008] “a circular structure for the internal observer”

平川紀道

《内部観測者のための円環構造》

作品解説

コンピュータによって描画され,壁面に投影されている映像は,それを生成しているコンピュータ自身の発する音によって,その映像を変化させています.つまり,この映像は,コンピュータがどの程度稼働しているかという状況に応じて変化していくことになります.そして,映像が変化すればコンピュータに負荷がかかり,駆動音が変化すると,また生成される映像に影響を与えるという構造を持った作品です.

マイクが接続されているスピーカーにマイクを向けるとハウリングが起こりますが,このように,ある入力に対する出力があるシステムにおいて,その出力が再び入力されることをフィードバックと言います.この作品は,コンピュータが生み出す自身の音を変数として入力して,リアルタイムに映像が生成されるという円環構造を持っています.一度システムが起動すれば,あとは閉じた系の中で,映像と音響が生成されますが,スピーカーによって音を出力することで,そのシステムの中に常に場の状況がノイズとして入り込むため,このシステムによる同一の画像は生成不可能だと言えます.内部観測とは,観測対象に対して外から観測するのではなく,内側から観察することを言いますが,観客が会場に入り込むことによっても,その映像は会場の状態の変化に影響されながら変化していることになります.

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