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《1/0/1》 [2016] “1/0/1”

上田真平

《1/0/1》

作品解説

技法:(1)コイル,(2)磁石,を与えられたものとせよ

一方のコイルには20Hzのサイン波が,もう一方のコイルには他方のコイルに対し逆位相のサイン波と,同位相のサイン波が交互に流れる.磁石が取り付けられた三つの弦は,コイルからの信号を受けて振動し,二つのコイルが同位相の時であれば,三つの弦は全て振動する.しかし,二つのコイルが逆位相の時であれば,中心の弦は静止して,両側の弦だけが振動する.

カールステン・ニコライはインスタレーション作品《invertone》において,二つのスピーカーから発せられる音波の位相を対にさせて,無音空間を創出した.私はこのニコライの用いる「逆位相によって音を抹消させる技術」に着想を受け,逆位相によって弦の振動を静止させることを試みた.しかし,本作品《1/0/1》が《invertone》と異なる点は,スピーカーの根本的な構造であるコイルと磁石だけが取り出されている点である.剥き出しの状態となったコイルによって,逆位相は振動を消す働きをするのと同時に,外側に別の振動を生むことにもなる.

テクノロジーの利便性は時に,テクノロジー自らが生み出したノイズ(無関係な情報)を内面化させてしまう.本作品はそうした不透明となったノイズを顕在化し,テクノロジーの本質的な機能を可視化させることで,私たちがテクノロジーとどのようにして向き合うべきかを問う.

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