外部音源の入力なしでミキシング・ボードを用いるという自らの演奏手法を「ノー・インプット・ミキシング・ボード」と名づけ，電子音楽を制作する即興演奏家．自らの音楽に対する姿勢を最もよく表現できる手段として，ノー・インプット・ミキシング・ボードを捉えている．セットアップの性質上，中村は常に予期せぬ事態に対処しなければならないため，楽器に対するコントロールをある程度放棄し，服従と諦観の領域に自らを置くことをいとわない．

1990年代半ばから現在に至るまで，東京を中心にライヴ活動を行なうほか，ヨーロッパ，北米，アルゼンチン，ニュージーランド，オーストラリア，韓国，中国，シンガポール，マレーシアなど世界中を旅し，現地またはその他の土地から来たミュージシャンたちと出会い，活動し，コンサートを行なう．