ICC


作品1「テレマティック・ドリーミング」
11月3日(祝・金)、4日(土)、5日(日)

《Telematic Dreaming》はISDNの電話回線の中に存在するインスタレーションである.両方の場所にはともに一台のダブル・ベッドがしつらえられ,一方の場所は暗く,もう一方は照明に照らされている.
明るい方の場所に置かれたベッドの真上にはカメラが設置され,カメラはベッドとそれに横たわる観賞者/ユーザーのライヴのヴィデオ映像を,暗い方の場所に置かれたもう一方のベッドの真上に設置されたヴィデオ・プロジェクターに送り込む.送られたライヴのヴィデオ映像は,もう一人の観賞者/ユーザーが横たわるベッドの上に映写される. プロジェクターと並んで設置された第2のカメラは,ベッドに映写されたライヴのヴィデオ映像を,明るい部屋にあるベッドを囲むモニターに送り返す.つまり,このテレプレゼンス映像は,別の人間の映像の中に自分の映像を映し出す鏡として機能する.

作品2「テレマティック・ヴィジョン」
11月6日(月)〜19日(日)

《Telematic Vision》は,テレプレゼンス空間内に存在するインスタレーションである.その空間は,別々の場所にあるふたつの大きな青いソファーの間に存在している.一方のソファーの真正面に設置された一台のヴィデオ・カメラが,そのソファーの上に座る観賞者/ユーザーのライヴの映像を,クロマキー合成用「ブルーボックス」ヴィデオ・ミキサーへと送り込む.
もう一方のソファーの正面に設置されたカメラは,このソファーともうひとりの人物の映像を同じミキサーに送り込む.
ふたつのソファーの映像はミックスされ,同じソファーとテレプレゼンス・スクリーン上に二人の観賞者/ユーザーを一緒に並べてしまう.この混合映像は最終的に各ソファーを囲むモニター列へと送られて,各ソファーからどの角度でも等距離で肉体をコントロールできるようにしている.

Paul Sermon (ポール・サーマン)
1966年オックスフォード生まれ.ウェールズのグウェント高等教育大学において名誉
美術学士号を取得.その後,イングランドのレディング大学にて美術修士号を取得する.
1991年リンツ(オーストリア)の「アルス・エレクトロニカ」において《Think about 
the People Now》がGolden Nica賞(インタラクティヴ・アート部門)を受賞.1993
年2月より11月までカールスルーエ(ドイツ)のZKMに客員アーティストとして滞在.
1994年ロサンゼルスの「インタラクティヴ・メディア・フェスティバル」において、
《Telematic Dreaming》がsparkey(溌剌)賞を受賞.その他世界各地での作品発表多
数.現在、ライプツィヒの美術大学教授.メディアアート学科で「テレマティック・メ
ディア」を教える.ライプツィヒ在住.


再現版について