シンポジウム「アートとテクノロジーの境界線」
日時: 1999年6月24日(木) 15:00〜 [終了しました.]
会場: ギャラリーD
スコット・ソーナ・スニッブ,草原 真知子 [神戸大学]
アートとテクノロジーの区別は,共感覚というものの歴史と科学に直接結びつけられる.人間の感覚のつながりについての議論は,哲学的思考の初まった時からずっと展開されてきた.書かれたものとして最も早いものは,2500年前のピタゴラスによる天空の音楽感覚の統一によって明らかにされる神の幾何学的調和に関する考察にまでさかのぼる.コンピュータというものを,インプットを処理してアウトプットを取りだすものとしてではなく,感覚を翻訳するデバイスとして取り扱うならば,最近の発明と1970年以前の歴史とをつなぐことができる.今世紀,抽象絵画とアニメーションは,表現メディア間のつながりを広げた.認知科学と脳心理学は,感覚間の内なるつながりについての理解を深めた.私はこのような考え方から生まれたいくつかのインタラクティヴなアート作品を取り上げて論じる予定である.私の場合,それは人の動きや身振りを,線と光と形によって抽象化することであり,それは人と人の間,さらには個人の内部における見えない関係を見えるものに変換することなのである.
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