ICC

《オプティカル・トラジェクトリー 2》
"Optical Trajectory 2"
2006
武藤努
撮影:木奥惠三
底部に重りを付けて,倒しても元の位置にもどる「起き上がり小法師」のような構造を持った発光する球体と壁や床に投影されるその光の軌跡によって,「色彩の動き」に触れるという感覚を体験することができる作品です.触れるという行為によって起こる動きと,それによって起こる色彩の変化を同調させることにより,「動きの質感」を空間的な「色彩の動きの質感」として体験できます.球体を傾けると光の明度がだんだんと上がり明るさが増し,また,球体を弧を描くように回してみると,光の色相が変化し,壁面に描かれた色彩パターンを変化させます.
武藤努は,これまでの物質的メディアと電子メディアをつなぐことで新たな表現領域を開拓すべく,コンピューティングとグラフィックを横断する表現を電子メディア,印刷メディアに展開している.動的な色彩表現の可能性を追求し,アーティストやデザイナーが違和感なく電子メディアで色彩を利用できる環境作りを目指している.

協力:財団法人国際メディア研究財団 
この作品は独立行政法人科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業個人型研究(さきがけ)の研究領域「デジタルメディア作品の制作を支援する基盤技術」の支援により開発されました.