「20世紀音楽」の旅行者

22人のアーティスト,グループが参加しています.パンソニック,スキャナー,リョウジ・イケダ,ブライアン・イーノ,ジョン・オズワルド,ソニック・ユースのリー・ラーナルド,クリスチャン・マークレー,クリスティーナ・クービッシュ,マックス・イーストレイ,トーマス・ケナー,ステファン・フォン・ヒューン,チコ・マクマートリー,グレイワールド,ディスインフォメーション,ラッセル・ミルズ,アンジェラ・ブロック……そしてマリコ・モリなど,この分野に属していると捉えられていないアーティストも参加していて,幅広い人選になっています.もちろん,今回とはまったく違った三つか四つの組み合わせで展示を行なうこともできました.この分野で活躍しているアーティストは非常に多いので,異なる内容でも,同じくらい興味深いものをつくることは可能でしょう.私は今日,音というものがヴィジュアル・アートとの関係において,どのように機能しているかという視点を拡張することに興味がありました.サウンド・アートというものが,少数の人にしか理解されない難解なアート・フォームであるというような考え方からはできるかぎり遠ざかりたかったんです.このジャンルはいまだに拡がりつつあると思います.

──「Sonic Boom」展には,キュレーターであるあなた自身の問題意識に基づく,一貫したコンセプトのようなものがあるのでしょうか? それとも「サウンド・アート」と名指されているような傾向の現在の状況を端的に映し出すものと考えていいのでしょうか?


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