1. 概要——開館25周年にあたり
NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]は,1997年4月19日,東京・初台,東京オペラシティタワー内に開館し,おかげさまで本日開館25周年を迎えました.
日本の電話事業100周年(1990年)の記念事業として活動を開始したICCは,1991年からのプレ活動期を経て1997年に開館し,25年にわたり,進化する情報社会における新たなミュージアムの実践として,インターネットやインタラクティヴなシステムなどのメディアを用いた作品を中心とした展覧会やオンラインでの活動を展開してきました.
一方,近年の科学技術の進歩は,これまでのICCの活動領域以外の文化芸術分野においても大きな変革をもたらしつつあります.例えば,デジタル技術による文化財の保存や再現,新しい鑑賞方法の開発などが挙げられますが,こうした変革の可能性をふまえ,NTT東日本は2020年12月に株式会社NTT ArtTechnologyを設立し,2021年4月より同社がICCの運営業務を担っています.
本日,開館25周年を迎えたICCは,技術,情報,文化をとりまく環境が進化していく中で,来るべき未来のヴィジョンを提示することを変わることのない役割として,そのテーマである科学技術と文化芸術の対話がさらに深まり,より豊かなコミュニケーションを生み出すことを目指し,活動を拡大してまいります.
2022年度のICCでは,年間の活動を25周年企画と位置付け,①科学技術と芸術文化の対話を通じて生まれる新しい表現活動,②現在開催中の「Digital×北斎」展に代表される科学技術が可能にする新しい文化芸術鑑賞のあり方に焦点を当てた活動の2つの軸を中心に,実空間と情報空間を活用して展開してまいります.