ICC

オープン・スペース 2012

《ゲームキョウカイ》
2011-12年
藤木淳

撮影:木奥恵三

1983年に発売されたファミリーコンピュータ(ファミコン)は,その爆発的なヒットからひとつの玩具であることを超えて,大きな社会現象となりました.その後も1990年代後半にプレイステーションやセガサターンが人気を博し,2000年代になると,ニンテンドーDS,Wii,Xbox 360 Kinectなど,現在でもおなじみのゲーム機が発売されてきました.

この作品では,多くの人に親しまれてきた家庭用ゲーム機の歴史が一望できるかのように,壁一列にテレビモニタやゲームのコントローラが並べられています.一番左側に置かれたゲーム機のキャラクターを操作し,ゲームをクリアすると,キャラクターは右隣のゲーム機へと移っていき,次のゲームが始まります.ゲームをクリアする度に,次々と別のゲーム機へとキャラクターが横断していく様は,これがひとつのゲームであることを教えてくれます.

連綿と続く「テレビゲーム30年の歴史」を,見て,触って体験できるこの作品.作家はこの作品を「様々なゲームの境界をシームレスに繋ぐ試み」とし,「物理的な境界のみならず,認知や社会の境界」をも越える契機となるように考えています.

支援:文化庁 平成23年度メディア芸術クリエイター育成支援事業

制作協力:A1/K/okuoku/池田圭佑,大屋努,末久知幸,瀬川景子,坪井優介,渡邉暁子(倉敷芸術科学大学)/石田翔一,伊勢田世山,早川琢眞,林田智樹(早稲田大学)/向井伸幸(ディアロガーレデザイン)/山脇尚

藤木淳 プロフィール

1978年生まれ.大学でプロダクト・デザイン,インターフェイス・デザイン,3Dグラフィックスを学ぶ.研究者という立場から制作を続け,だまし絵をモチーフにしたインタラクティヴな作品などを発表.2008年,作品《OLE Coordinate System》をベースにしたゲーム「無限回廊」が,ソニー・コンピュータエンタテインメントから発売された.現在,国際メディア研究財団研究員,科学技術振興機構さきがけ研究員.
過去に参加した展示・イヴェント

ポッドキャスト「チャンネルICC」にて,この出品作家のインタヴューをお楽しみいただけます.|→ 詳細|