ICC

インターネット・リアリティ研究会「インターネット・リアリティ」

インターネット・リアリティ研究会は,エキソニモ(千房けん輔,赤岩やえ),思い出横丁情報科学芸術アカデミー(谷口暁彦+渡邉朋也),栗田洋介を中心に,2011年7月に開催された座談会「インターネット・リアリティとは?」をきっかけに発足しました.

わたしたちは現在,常時インターネットにアクセスできる/している状態で生活しています.そこでは,さまざまなサーヴィスを介して自分の行動や好きなものなどをネットで公開し,友人や家族,はては国籍や国境を越えた見ず知らずの人たちが今どこで何をしているのかという行動や状況を,ネットを通じて想像することができます.このような,インターネットそのものが日常を映すメディアとしてわたしたちの意識に浸透した状況において,わたしたちが感じるリアリティもまた変容しているのではないでしょうか.

そのような問題意識を元にした座談会を経て,その後展覧会「[インターネット アート これから]——ポスト・インターネットのリアリティ」を企画,展覧会会期中もさまざまなゲストを交えた座談会によって議論を深めていきました.インターネット・リアリティ研究会は,このICCのホームページ内を研究会の発表の場として,展覧会以降も継続して活動を行ないます.これから順次,座談会の採録やさまざまなテキスト,また映像の記録などを公開していきます.

インターネット・リアリティ研究会 メンバー プロフィール

> エキソニモ
1996年結成.千房けん輔と赤岩やえによるアート・ユニット.デジタルとアナログ,ネットワーク世界と実世界を柔軟に横断しながら,テクノロジーとユーザーの関係性を露にし,デジタル・メディアが現代社会へ与えるインパクトについて,ユーモアのある切り口と新しい視点で作品に反映させる実験的なプロジェクトを数多く手がける.2006年《The Road Movie》がアルス・エレクトロニカ ネット・ヴィジョン部門でゴールデン・ニカ賞を受賞.
http://exonemo.com/

千房けん輔
アートユニット,エキソニモ(http://exonemo.com/)メンバー.株式会社AAAAAAAAAA(エイテン http://aaaaaaaaaa.jp/)代表.エキソニモでは赤岩やえと共にWEB上の実験的アート・プロジェクト,インスタレーション,イヴェント・プロデュース,ライヴ・パフォーマンスなどを行ない,国内外の展覧会,イヴェントに多数参加.2010年より岸本高由と株式会社エイテンを立ち上げ,コミュニ ケーションを軸にしたWebサービス/ソフトウェアを開発中.その他,個人名義でWEBとリアルな場所を絡めたインタラクティヴなキャンペーンの企画/テクニカル・ディレクションなどを行なう.
> 思い出横丁情報科学芸術アカデミー(谷口暁彦+渡邉朋也)
谷口暁彦と渡邉朋也によって結成.新宿・思い出横丁を活動拠点とし,メディア・アートという芸術表現について思索と実践を行なう.現在CBCNETにて「たにぐち・わたなべの思い出横丁情報科学芸術アカデミー」を連載中.
http://oamas.org/

谷口暁彦
1983年生まれ.自作のデバイスやソフトウェアを用い,パフォーマンス,インスタレーション,映像作品などを制作する.主な展覧会に「ダングリング・メディア」(「オープン・スペース 2007」内「エマージェンシーズ!004」,ICC,2007),「Space of Imperception」(Radiator Festival,イギリス,2009),「redundant web」(インターネット上,2010)など.
http://twitter.com/hikohiko

渡邉朋也
1984年生まれ.コンピュータやテレビジョンといったメディア技術をベースに,自作のソフトウェアを用い,パフォーマンス,インスタレーション,映像作品などを制作する.主な展覧会に「セントラルイースト東京(CET)」(東京・馬喰横山周辺,2007-09),「scopic measure #07」(山口情報芸術センター[YCAM],2008),「redundant web」(インターネット上,2010)など.
http://twitter.com/nabetanne
> 栗田洋介
1981年生まれ.GRANDBASE inc.代表.ウェブ・デザイン,グラフィック・デザイン,CI/VI計画などのデザイン制作全般を中心にデザイン・ポータルサイト「CBCNET」やデザイン・カンファレンス「APMT」の企画・運営を行なう.その他にもデザイン・プロジェクトのディレクションやアーティストのコーディネーションなども広く手がける.
http://www.cbc-net.com/
http://www.grandbase.jp/
> 萩原俊矢
ウェブ・デザイナー.東京工芸大学芸術学部卒.セミトランスペアレント・デザインを経てセミ・セリフを設立.同時にデザインと編集の集団cooked.jpにも所属している.2000年にミルトス・マネタスらを中心に立ち上げられたアート・ムーヴメントNeenなどにも参加し,ウェブ・デザイン,ネット・アートの分野を中心に幅広く活動している.主な展覧会に,セミトラ展(「tFont/fTime」,山口情報芸術センター,2009/「ウェブから生まれるデザイン」,クリエイションギャラリーG8,2010),「redundant web」(インターネット上,2010)などがある.
http://shunyahagiwara.com
> 水野勝仁
1977年生まれ.ユーザ・インターフェイスにおける「マウス」の研究から,エキソニモ《断末魔ウス》を経由して,ディスプレイ上の「カーソル」やイメージのあり方を考察するようになる.主な論文に「あいだを移行する「↑」:エキソニモ《断末魔ウス》,《↑》におけるカーソルの諸相」(『映像学』第85号,日本映像学会,pp.20-38,2010年)など.
http://touch-touch-touch.blogspot.jp/
> youpy