
![[メッセージ]](../image/message-j.gif)
![[伊藤俊治 (多摩美術大学教授 ICCコミッティ)]](image/itoh-title.gif)
電話回線によるコミュニケーション・システムと,テクノロジーでもメディアでもあるコンピュータとの融合は,思いもかけない新しい創造の場を用意し始めた.その新しい場は地理的な境界や文化的な差異を取り払ってゆく方向性を内在し,さらにはこれまでの物質的な身体の限界を超越してゆく衝動を内包している.つまりその場は,人間の再物質化や再記述化へつながってゆく可能性を持っているのだ.
インターコミュニケーション '91(IC '91)「電話網の中の見えないミュージアム」を行なった時,「インターネット」という言葉はまだまだ遠い世界の存在に過ぎなかったのだが,ここ数年の間にマルチメディア環境は一挙に日常のレベルに浸透し始めている.IC'91の時は電話やFAX等を利用したインヴィジブルなパッケージ型の美術館をネットワーク上につくりあげたのだが,NTTインターコミュニケーション '95ではインターネット上のNetscape,WebSpace,HotJava等を使用したヴィジブルな増殖進化する美術館ができあがることになる.
こうしたフォームの美術館の生成は,アートを生きのびさせ,存続させる新しいシステムになりうるのだろうか.あるいは今まで誰も想像できなかった形態へとアートを変容させてゆくことができるのだろうか.そのことがこのネットワーク上で問われてゆくだろう.情報通信テクノロジーというのは,実用的,機能的なものというよりも,はるかに精神や感覚の領域に属する“意識のテクノロジー”なのだということを忘れずに,ネットワークのファブリックのなかで身を沈めることにしたい.
![[浅田 彰]](image/asada.gif) 
![[伊藤 俊治]](image/itoh-off.gif) 
![[彦坂 裕]></a>
<a href=](image/hikosaka.gif)
![[武邑 光裕]](image/takemura.gif)
| ![[http://www.ntticc.or.jp/ic95/]](image/footer1.gif) | ![[home]](image/footer2.gif) | |
| ![[Japanese]](image/footer3.gif) | ![[English]](image/footer4.gif) | |
