本サイトをご利用の際,最新版のFirefoxGoogle ChromeInternet ExplorerSafariなどを推奨しております.
現在ご利用のブラウザでは,レイアウトなどが崩れる可能性があります.

JA / EN
戻る

エマージェンシーズ! 011
佐藤哲至+坂本洋一《blank》

2009年5月16日(土)—8月9日(日)

エマージェンシーズ! 011
佐藤哲至+坂本洋一《blank》

概要

水平に張られた上下2本のスクリーンに,映像が投影されています.スクリーンに複数現われる線分の動きから,それが人が歩いている様子であることが「見えて」きます.この情景は,私たちが主観的に読み取ったものなので,もちろん実体はありません.しかし,線分の運動というシンプルな映像であるからこそかえって,いないはずの人の気配すら感じられてくるようです.

人間の脳には,わずかな情報を手がかりとして足りないものを補完し,ひとつのイメージとして認識する機能があることが知られています.この作品も,鑑賞者にイメージを構築させるための手がかりを与えるものとして制作されました.ここでの手がかりとは,映像だけでなく,作品を構成する要素すべてです.映像の内容と,その投影先となるスクリーンの幅や数,高さなどは,相互のバランスを見ながら検討され,最終的に展示する空間に合わせて決められます.このようなプロセスを経て,最小限の要素によって人の気配を十分に感じさせる状態が抽出されています.この,情報の中身(=コンテンツ)と,その土台としての枠組み(=フレーム)を不可分なものとして捉えようとする姿勢の中に,両者の関係性に対する作者の繊細な感覚が見てとれるでしょう.


展示作品

参加アーティスト

展示 & イヴェントをみる