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《無題(シャドウ#2)》 [2006] “Untitled (Shadow 2)”

シルパ・グプタ

《無題(シャドウ#2)》

作品解説

鑑賞者が展示室に入ると,室内に設置されたカメラによって撮影された自分の姿が,シルエットとなってリアルタイムで反対側の壁に投影されます.すると,小さな家や窓,鳥,または人など,展示室にはいないもののシルエットが同じ壁に現われ,鑑賞者自身の影と戯れるようにインタラクションを始めます.

この作品では,展示室に入った人は自動的に作品に参加させられてしまいます.それは,私たちが人生において,生まれてくる場所や時代,さらにはそれに規定される文化などを自分では選べないことを思い起こさせます.現われるオブジェクトたちも,さまざまな「選びえないもの」を暗示しているようです.部屋の中で聞こえる音の中には,教会や寺院の鐘の音やイスラムの礼拝の時刻を告げる呼びかけなど,なんらかの宗教に由来したものがありますが,宗教もまた(特に作家の出身地であるインドでは),場所やそこに根づく文化と密接な関連をもつもののひとつです.

そのような背景をもちながらも,作品はユーモアに満ち,とても親しみやすいものになっています.そこには,鑑賞者が,家を動かし,窓を開けて鳥たちを解き放ち,またキャラクターとダンスを踊ったりすることができるのと同じように,私たちは与えられた環境に対してアクションを起こすことができる,という作家のポジティヴなメッセージが感じられるようです.

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