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《ツイステッド・ストリップス》 [2012] “Twisted Strips”

ダニエル・ローズィン

作品解説

楕円形をしたスクリーンに,その背面に設置されたカメラが撮影した情景が映し出されています.《ミラー No.12》の映像は,色をもった無数の線分で構成されています.それぞれの線分の角度は,被写体の動く方向や速さに応じて水平からさまざまに変化します.その結果,カメラが捉えたイメージが絵画のような質感で再現されています.ソフトウェアによってカメラの視点が擬似的に変化しているため,ドアの覗き穴から外を見ているかのような効果も感じとれます.《ツイステッド・ストリップス》は,黒い背景と21枚の白い薄板で構築されたキネティック・スカルプチャー(動く彫刻)です.それぞれの板の上下にはモーターが接続されていて,個別に回転を制御することができます.そのため,上下のモーターの回転するタイミングを変えると板にねじれが生まれ,全体としては,この作品の着想の源となったオプ・アート(錯視や視覚の原理を利用する美術の一様式)を思わせる,幾何学的なパターンが次々と現われます.

作者がこれまでに制作してきた作品の多くは,原則として直交するグリッドに沿って整然と並べられたものが個別に変化し,その結果生じる陰影やパターンによってイメージを再現します.この二作品は,作者が近年取り組んでいる新しい手法に基づいており,どちらも,構成要素の回転運動によってイメージが生み出されています.

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