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《To Call a Horse a Deer/指馬為鹿(うまをさしてしかとなす)》 [2018–] “To Call a Horse a Deer”

イップ・ユック゠ユー

《To Call a Horse a Deer/指馬為鹿(うまをさしてしかとなす)》

作品解説

この作品は,真偽問題(○×式クイズ)の形式で作られたゲーム・アート作品です.このゲームでプレイヤーが得点するには,設問ごとに付される「真実を答えよ」「嘘をつけ」という指示に抗って回答する必要があります.つまり回答者は,嘘をつくように指示された場合は設問に対する正しい答えを,真実を言うように指示された場合は間違った答えを選ばなければいけません.

イップは,この作品を共犯関係についてのゲームだと言っています.ルールに従って高い点を得ることは,より知的で知識が豊富であることを意味すると同時に,権威に順応し,服従することも厭わない面があるということを示唆します.一方で,ゲームにおける低得点は,設問について知識がないか,うまいプレイヤーではないことを一般的に意味しますが,このゲームにおいては否定すべき結果とは限りません.最低点を得ることで,プレイヤーはこのゲームのルールに遊び心を持って従わないという意思表示をすることができます.すべての答えを正しく知っていることを示しながら,このゲームのルールに抵抗し,服従しないという選択をするのです.

この作品のタイトルは,中国の古典『史記』に登場する故事成語「鹿を指して馬と為す(指鹿為馬)」を反転させたものです.秦の始皇帝が死んだ後,野心的な政治家が鹿を馬と言い張ることで,人々にそれを馬だと思い込ませ,さらに「それは鹿だ」と真実を言った者を処刑して反対意見を封じ込めようとしたという話が由来となっています.

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