本サイトをご利用の際,最新版のFirefoxGoogle ChromeInternet ExplorerSafariなどを推奨しております.
現在ご利用のブラウザでは,レイアウトなどが崩れる可能性があります.

JA / EN
戻る

《Soundform No.4》 [2023] “Soundform No.4”

Natura Machina(筧康明+ミカエル・マンション+クアンジュ・ウ)

《Soundform No.4》

作品解説

複数のガラス管が天井から吊り下げられています.それぞれの管の中に組み込まれた電熱線が発熱し光を発すると,音が鳴り出します.音はしばらくすると消えますが,電熱線の発熱に伴いまた鳴り出します.そのサイクルが,各々のガラス管で個別に繰り返されています.

《Soundform》は,熱により空気が振動し音が発生する熱音響現象を利用したインスタレーション作品のシリーズ名です.この作品で使われているレイケ管は,ガラス管の中に発熱体を設置した装置で,発熱体に電気を流すとガラス管に温度差が生まれ,管内部に空気が引き込まれ自励振動することで音が発生します.どのような音が鳴るかは,ガラス管の素材,太さや長さ,空間の気流や温度などの環境条件に依存するため,人間が完全に制御することはできず,音がさまざまなタイミングで共鳴する場が生まれます.ここでは,鑑賞者もまた,場に影響を与える存在となります.

本シリーズはこれまで,修道院の地下や砂浜,狭小空間で展示され,展示される空間の特性に合わせて,作家による制御の範囲や方法が調整されてきました.シリーズ最新作となる《Soundform No.4》では,空間中の音を入力として,エア・サーキュレーターを通じて気流を積極的にプログラム制御することで,場に介入することを試みます.

* 自励振動:振動体それ自体の運動によって,振動的ではない外力からエネルギーを取り込むことで起こる振動.(出典:デジタル大辞泉)

アーティスト

展示情報

作品一覧