本サイトをご利用の際,最新版のFirefoxGoogle ChromeInternet ExplorerSafariなどを推奨しております.
現在ご利用のブラウザでは,レイアウトなどが崩れる可能性があります.

JA / EN
戻る

《石の見た夢》 [2010] “Solid State Parhelia”

津島岳央

《石の見た夢》

作品解説

《石の見た夢》は,プログラムによってリアルタイムに生成,描画される,3Dのコンピュータ・グラフィックスです.モチーフとなっているのは静物画ですが,作家は「動き続けることなしには成立しない,拡張された絵画」であるとしています.この作品では,対象物をある視点(カメラ)から見たときの奥行きに相当する数値が,描画された2次元平面を構成するピクセルの奥行きに置き換えられています.それによって,ピクセルが奥行き方向に粒子状に分散した状態が作り出されます.さらに,その周囲を環状に取り巻く複数の新たな視点(カメラ)を設定し,それを順次切り替えていくことで,この映像が生成されています.

またその映像は,16世紀から17世紀にかけてフランドル,ネーデルラントで多く描かれた,ヴァニタスと呼ばれる「人生の虚しさ」を表わす寓意的な静物画をモチーフにしています.頭蓋骨や朽ちていく果物など,人の死などの運命をほのめかすオブジェクトが組み合わされることで,見るものに虚栄の儚さを喚起させるのです.《石の見た夢》におけるオブジェクトには,キャプチャによって制作された自身の頭蓋骨や自身の楽器などが選ばれており,作者の個人的な物語が込められたものになっています.

《視界のデフラグ》は,分散したピクセルの間に現われる隙間(ヴォイド)を補完しながらイメージする静止画作品です.


《石の見た夢》制作協力:野上大輔

アーティスト

展示情報

作品一覧