2019年の民主化運動に関するSNS投稿をつないだネットワーク図が壁面に投影されています.レーザー光には,香港の民主化デモで録音された音声が重ね合わされ,壁面に配置された自作の受信機に光があたると,光が音声に変換され出力されます.
《Resistance Array》は,すずえりが近年取り組んでいる可視光通信を用いた,メディアと通信の歴史的関係の問い直しをレーザー光に当てはめた作品です.SNSを通じて世界中に広まった民主化運動と,その手法であるレーザー・プロテストを題材に,情報がミームとして伝播する様子と,それによる連帯のあり方に着目しました.
壁面には,2019年を中心にSNSに投稿された香港とチリのレーザー・プロテストに関する投稿同士の関連性を,機械学習でネットワーク図化した結果がプロジェクションされています.レーザー光はプロジェクションされた投稿=点を追随し,光と音声をネットワーク図に重ね合わせます.このようなミームの可視化/可聴化によって,国境を越えた市民運動の連帯を描きます.電子部品(抵抗アレイ)の名前がつけられた作品名には,市民による抵抗が連なっていくという意味も込められています.
同じく展示する《ギターの練習》(2019)は,すずえりが2019年秋に,チリ暴動下のヴァルパライソに滞在した折に撮影した映像作品です.現地で歌い継がれてきた抵抗歌《平和に生きる権利》(1971)の演奏を習う過程を収めたこの作品は,ミームの継承および伝播のひとつのあり方といえるでしょう.
総合制作/デヴァイス制作/音声・映像:すずえり
ヴィジュアライゼーション/テクニカル:比嘉了
デヴァイス設計/テクニカル:斉田一樹(木下研究所)
筐体制作:金澤政宜
音声提供:September 13, 2019 Hongkongers
協力:文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業