内戦・隣国との戦争が終結したばかりの架空の王国アルストツカの入国審査官となり,次々と訪れる入国希望者を「審査」するゲームです.プレイヤーが偽物のパスポートを見破ることができなければ国内でテロが発生したり,逆に疑心暗鬼になりすぎることで善良な国民の夢や生活を砕いてしまうことになったり,審査の成否は家族を養う必要のあるプレイヤー自身の給料・査定に直結したり,入国スタンプを押すこと/押さずに追い返すことが様々な現実的な結果をもたらします.ヴィデオ・ゲームに付随する「ボタンを押す」ことの倫理性の問題が,本作では浮き彫りとなります.
《Papers, Please》 [2013] “Papers, Please”
ルーカス・ポープ
《Papers, Please》
左から:ルーカス・ポープ《Papers, Please》2013年,アブドゥッラー・カラム&Causa Creations《Path Out》2017年 / 撮影:木奥恵三
左から:ルーカス・ポープ《Papers, Please》2013年,アブドゥッラー・カラム&Causa Creations《Path Out》2017年 / 撮影:木奥恵三