グリッド状に並べられた9台のディスプレイに,日本では「三目並べ」「マルバツゲーム」として知られるゲームが表示されています.ゲームのプレイヤーは「人間」,「鶏」,「コンピュータ」,「人工知能(AI)」の四種類で,ディスプレイごとにそれぞれ異なるプレイヤーの組み合わせによる対戦を見ることができます.また,プレイヤー「人間」としてゲームに参加することもできます.
三目並べは,コンピュータ・ゲームの最も早い例のひとつとして知られています.特に1952年にアレグザンダー・S・ダグラスが開発したヴァージョンによって,「初めて人間がコンピュータとゲームをプレイできるようになった」とJODIは語っています.三目並べのコンピュータ・プログラムを相手に勝つのはほぼ不可能ですが,この極度な単純さにこそ,今日のテクノロジーがもつ力の源泉があるといえるでしょう.JODIは,三目並べを重要な文化遺産と考え,その背景にあるコンピューティング創成期の歴史や戦争ゲーム,そして人工知能といったトピックへの応答として,この作品を作りました.
プレイヤー「鶏」は,生きた鶏と三目並べをプレイできる「Bird Brain」というアーケード・ゲームがあったことにちなんでいます.点滅するボタンをつつくよう条件づけされた鶏と,適切な手をランプの点滅で示す単純なコンピュータを組み合わせることによって,人間が勝てないようになっていたそうです.