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「モノビート・シネマ」 [2010] ‘Mono-beat Cinema’

大城真

「モノビート・シネマ」

作品解説

発光するブラウン管のTVモニターの前で,正弦波(サイン・ウェーヴ)がスピーカーから発されています.スピーカーから出力されている周波数は,音として知覚されますが,スピーカー自体の振動という目に見える現象としても知覚することができます.一方,TVモニターの映像も現象という側面から見ると,光がすばやく点滅している状態として捉えることができます.ここでは,TVモニターの明滅が,スピーカーの振動現象と干渉を起こすことで,スピーカーの見え方が影響を受けています.

正弦波は,異なる周波数同士の干渉を受けやすく,それによって音波においては,存在していない,もうひとつの周波数を生じる,「ビート」「うなり」とも呼ばれる「ヘテロダイン現象」を生じます.それは,ある二つの異なる周波数を干渉させると,その差分の周波数となって現われる現象ですが,この作品では,聴覚だけではなく視覚によって,通常私たちが映像を鑑賞する際に,意識することがない側面が顕在化されています.1秒間に60回点滅するブラウン管の光が,それとはわずかに異なる周期で前後運動を行なうスピーカーを照らすことで,光と動きの間で「うなり」と呼ばれる干渉現象を発生させ,ふだんは意識されない映像の特性が露わにされます.

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